大いに盛り上がったジャパンCが終わり、今週末は中京競馬場でダート王を決めるチャンピオンズCが行われる。今回は、チャンピオンズCに出走予定の16頭を管理するJRA調教師の2020年以降の成績を調査。ダートと芝の勝ち鞍の数を比較し、ダートレースの勝ち鞍が占める割合の多い5つの厩舎をランキング形式で紹介していく。[5/5ページ]
第1位 岡田稲男厩舎
■66.7%(ダート70勝、芝35勝)
※前川恭子厩舎(ダート4勝、芝2勝)が同率1位

チャンピオンズCに所属馬を出走させる厩舎の中で、ダートで勝利を挙げる率が最も高いのは、栗東の岡田稲男厩舎だった。
2020年以降の勝ち鞍は芝35勝に対して、ダートで70勝。ちょうど2倍の数字を残している。
2003年の開業した岡田厩舎の初G1勝利は昨年の天皇賞・春。テーオーロイヤルで悲願を達成した。
ただ、地方を含めると、2022年の帝王賞が初G1勝利。今週のチャンピオンズCにも出走予定のメイショウハリオで遂げている。
同馬は翌23年のかしわ記念を勝利すると、帝王賞で連覇を達成。さらに今年春の川崎記念でG1・4勝目を挙げるなど、ダート路線で息の長い活躍をしている。
JRAのG1初勝利を狙うメイショウハリオだが、主戦の浜中俊騎手が落馬負傷のため、急きょ武豊騎手に乗り替わり。“メイショウ軍団×レジェンド騎手”の宝塚記念に続くG1制覇が視界に入る。
岡田厩舎が送り込むのはメイショウハリオだけではない。デビューから12戦すべて3着以内の4歳牝馬のテンカジョウもスタンバイ。昨年3月以来2度目となる牡馬を相手に試金石の一戦となりそうだ。
テンカジョウは、牝馬ながら500kg近い牡馬顔負けの馬体を持ち、パワーを要する馬場と展開になれば浮上の余地もあるだろう。終いは確実に伸びてくるだけに注意が必要な1頭になることは間違いない。
そんな岡田厩舎と並ぶ“隠れ1位”が今年春に開業した前川恭子厩舎だ。これまでの6勝のうち4勝をダート戦で挙げている。
前川厩舎が送り込むのは、ダート重賞3勝の実力馬サンライズジパング。転厩前のフェブラリーSでコスタノヴァの2着に好走するなど、G1級の力を持つ。開業1年目の女性調教師が渾身の仕上げでG1タイトルの奪取に挑む。
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ちなみに今年の出走メンバーでルクソールカフェとシックスペンスの関東馬2頭にも注目しておきたい。前者は前哨戦の武蔵野Sを圧勝し、後者は初ダートの前走・南部杯で2着に好走。どちらも上位人気が予想されている。
ただし、シックスペンスを管理する国枝栄厩舎は勝ち鞍のほとんどが芝。2020年以降のダート勝ち鞍占有率はわずかに16.7%(ダート37勝、芝184勝)である。
またルクソールカフェを管理する堀宣行厩舎も芝での勝ち鞍が多く、占有率は29.2%(ダート70勝、芝170勝)。
同馬の全兄カフェファラオは、チャンピオンズCで勝利を収めることができなかったが、弟が堀厩舎に吉報を届けられるかにも注目したい。
【了】
(文●中川大河)
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