12月に入って、これから日中の冷え込みも厳しくなる季節を迎える。寒さに強いサラブレッドには過ごしやすい時期だが、薄手の勝負服を身にまとう騎手にとっては厳しい季節といえるだろう。そこで今回は、春、夏、秋に比べて、冬の重賞で結果を残している騎手を5人紹介したい。[6/6ページ]
条件:2020年1月以降の平地重賞において、冬(12月から2月)とそれ以外の季節(3月~11月)の各騎手の勝率を比較。勝率差が大きい騎手5人をピックアップした。
対象としたのは、同期間中の冬の重賞で30回以上騎乗している35人の現役騎手。
※気象庁が定義する冬季(12月~2月)に基づく。
【(番外編)ワースト1位】C.ルメール(-6.6ポイント)
■冬の重賞勝率16.5%、春~秋の重賞勝率23.1%

ここまで冬の重賞に強い5人の騎手を紹介したが、番外編としてワースト1位も発表しておこう。対象となった35人の騎手の中で、冬に著しく勝率を落としているのは、C.ルメール騎手だった。
2020年以降の12月から2月の重賞勝率は16.5%(97戦16勝)。これは35人の騎手の中で2位である。
しかし、春から秋にかけて実に23.1%(277戦64勝)と飛び抜けた数字を残している。そのため、冬は思ったほど勝てていないとも言い換えられる。
ルメール騎手といえば、夏競馬の真っただ中にバカンスを取ることでも有名。しかし、寒さも大の苦手のようだ。
実際に前シーズン(2024年12月~25年2月)は、重賞に12回騎乗していたが、【2-0-0-10】という成績が残っている。7回も1番人気に支持されたにもかかわらずである。
特にG1がない年初の1月は“冬眠”を疑われるほど成績が振るわない年もある。今年は年初の開催5日間に冬休みを取得。1月の重賞騎乗は京成杯とAJCCの2レースだけだったが、どちらも人気馬を圏外に飛ばしていた。
1月の重賞は、アリストテレスで勝利した2021年のAJCCを最後に目下19連敗中。G1も多く、それほど寒さも厳しくない12月はともかく、1月に限ってはルメール騎手であっても全幅の信頼は禁物だ。
【了】
(文●中川大河)
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