12月に入って、これから日中の冷え込みも厳しくなる季節を迎える。寒さに強いサラブレッドには過ごしやすい時期だが、薄手の勝負服を身にまとう騎手にとっては厳しい季節といえるだろう。そこで今回は、春、夏、秋に比べて、冬の重賞で結果を残している騎手を5人紹介したい。[3/6ページ]
条件:2020年1月以降の平地重賞において、冬(12月から2月)とそれ以外の季節(3月~11月)の各騎手の勝率を比較。勝率差が大きい騎手5人をピックアップした。
対象としたのは、同期間中の冬の重賞で30回以上騎乗している35人の現役騎手。
※気象庁が定義する冬季(12月~2月)に基づく。
【第3位】岩田康誠(+6.3ポイント)
■冬の重賞勝率12.7%、春~秋の重賞勝率6.4%

冬の重賞に強い騎手、第3位は岩田康誠騎手だ。ランクインした5人の騎手の中では最年長となる51歳には“熱血”のイメージもあるが、少なくとも2020年以降は寒さに強い傾向が出ている。
2020年以降の冬の重賞は63戦8勝で、勝率12.7%と高いが、それ以外の9か月間は187戦12勝で、勝率は6.4%とほぼ半減。
さらに月別重賞勝利数を見ると、4月から9月はきれいに1勝ずつ挙げている一方で、初春の3月に3勝、秋ど真ん中の10月にも同じく3勝している。
晩秋の11月は重賞0勝だが、真夏や汗ばむ陽気の季節よりも寒い時期を得意としているのは数字からも明らかだ。
そんな岩田康騎手を冬場に狙うならハンデ重賞がオススメ。冬の重賞8勝のうちちょうど半数をハンデ戦で挙げており、勝率も25.0%(16戦4勝)に跳ね上がる。
単勝回収率は529%、複勝回収率も155%と高い水準だ。4勝の人気順を見ると、3番人気1頭、8番人気2頭、12番人気1頭と高配当演出に一役買っている。
ただし、岩田康騎手は季節にかかわらずG1制覇から7年以上も遠ざかっている。最後にJRAのG1を勝ったのは2018年4月の天皇賞・春(レインボーライン)。
さらに冬のG1制覇となると、2012年2月のフェブラリーS(テスタマッタ)まで遡る。
今年の12月は5つのG1レースが組まれているが、今のところ岩田康騎手の騎乗が確定している馬はいない。鞍上未定の馬がいれば、岩田康騎手に望みを託してみるのも面白いかもしれない。



