東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は11月29、30日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[3/3ページ]
11月29、30日の2歳戦レビュー

◆ゴーラッキー
11月30日 新馬 東京芝1800m 1着
評価:★★★★
騎手:ルメール
厩舎:美浦・黒岩陽一
父:キタサンブラック
母:ジェットセッティング
母の父:Fast Company
《短評》
好発から自然とハナへ。淡々としたペースで直線に向き、残り350m付近で満を持してゴーサイン。そのまま脚色衰えず1馬身のリードを保って押し切った。
勝ち時計1:47.0は本来このコースの2歳新馬としては立派な記録(歴代4位タイ)なのだが、前記の通りこの日の東京は馬場が速すぎた。割り引いて評価する必要はある。新馬らしい楽なペースの逃げ切りだったことも踏まえて今回は★4まで。2戦目が試金石だ。
◆サウンドムーブ
11月30日 未勝利 京都芝1800m 1着
評価:★★★
騎手:団野大成
厩舎:栗東・斉藤崇史
父:リアルスティール
母:サウンドルチア
母の父:スクリーンヒーロー
《短評》
道中は3~4番手を追走し、コーナーで手応えよく外目を進出。4角出口でもう先頭に立った。直線は外から迫る1番人気馬に応戦する形で外に誘導し、伸び勝って1.3/4馬身差でゴールした。
勝ち時計1:46.4は当コースの2歳戦史上2位。もちろん悪くはない。しかしこの日は京都も京都でなかなかの高速馬場。白菊賞で1:33.6、京阪杯で1:07.4が出ている。さらに1000m通過58.4秒とペースも速く、タイムが出やすい状況は整っていた。時計面だけで過度に評価もできないのが正直なところ。こちらも次のレースで真価が試される。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xなどで発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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