HOME » コラム » 5選 » 【サウジアラビアRC名勝負5選】ダノンプレミアムやグランアレグリアなど後のGⅠ馬を輩出する出世レース » ページ 4
Gran Alegria
第4回サウジアラビアRCを制したときのグランアレグリア

④2018年(勝ち馬グランアレグリア)

 ダノンプレミアムとステルヴィオの争いから1年。この2頭に勝るとも劣らない素質を持った馬が、2018年のサウジアラビアロイヤルカップに出走してきた。その名はグランアレグリア。

 この年はフルゲートだった前年から一転、8頭立ての少頭数。その理由のひとつは、グランアレグリアとの対戦を避けたからとも言われている。現に単勝オッズは、1.3倍という断然の1番人気に推されていた。

 1戦1勝でまだ新馬戦を勝っただけの牝馬がなぜこれほどまでの評価を受けたのか、それはその新馬戦の内容によるものであった。

 グランアレグリアが出走した新馬戦は、サウジアラビアロイヤルカップと同じ、東京芝1600m戦。2016年生まれの新馬戦が始まったばかりの、開幕週のレースであった。

 スッと好位の外目につけると、直線入り口では持ったままで先頭に立つ。その直後から2着馬のダノンファンタジーが懸命に追うが、最後まで差は詰まらず。後の阪神ジュベナイルフィリーズ覇者、ダノンファンタジーに2馬身の差をつけて勝利した。

 そして驚くのはその勝ち時計。従来の新馬戦のコースレコード1分34秒7を1秒以上更新する、1分33秒6で走破してみせた。決して前半のペースが流れていたわけではなく、ほぼ自身が先頭に立っていた上がり3ハロンだけで稼いだ快時計であった。

 こんなレースを見せられては、1.3倍の単勝オッズにも納得せざるを得なかった。そして実際、レースも3馬身半差の快勝。

 出遅れてかかり気味に2番手まで上がったときは不安もよぎったが、直線持ったままで先頭に立つと、初戦同様の走りで危なげなく押し切ってみせた。

 その後グランアレグリアは、6つのG1タイトルを獲得。サウジアラビアロイヤルカップが出世レースと呼ばれるようになったのは、この馬の活躍が大いに影響していることは言うまでもない。

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