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第3回サウジアラビアRCを制したときのダノンプレミアム

③2017年(勝ち馬ダノンプレミアム)

 9頭立てという少頭数だった2016年に対して、翌年の2017年は2歳重賞にしては珍しく、フルゲートの18頭立てで行われた。

 この年の下馬評は2強対決。1番人気はステルヴィオ。新馬戦、コスモス賞とデビューから連勝を飾って2戦2勝。唯一の中央2勝馬という実績があった。さらに新馬戦は同舞台の東京芝1600mで快勝しており、そのレースで多頭数も経験済み。死角は少ないように見えた。

 2番人気はダノンプレミアム。こちらは阪神芝1800mの新馬戦を勝っての1戦1勝であったが、その新馬戦が4馬身差の圧勝。スッと好位につけられるレースセンスの良さは、フルゲートの一戦で大きなアドバンテージになると考えられていた。

 レースは、好スタートを決めたダノンプレミアムがハナを切りそうなダッシュを見せるが、行きたい馬を行かせて2番手のインを確保。対するステルヴィオは、後方から競馬を進める。前年と違って頭数の多かった影響もあるのか、2歳戦にしては速めの流れでレースは進み、最後の直線へ。

 2番手から残り300mで先頭に立ち、後続との差を広げにかかるダノンプレミアム。その時ステルヴィオはまだ後方集団にいたが、残り200mからエンジンがかかり、馬群の外から一気に伸びる。しかし4角16番手からでは2着に上がるのが精一杯で、ダノンプレミアムが早め先頭から押し切って勝利。稍重の馬場ながら、1分33秒0という2歳コースレコードタイムであった。

 この2頭はその後、G1朝日杯フューチュリティステークスでもワンツー。再びダノンプレミアムが勝利し、無敗の2歳王者となった。

 対するステルヴィオは3歳時にG1マイルチャンピオンシップを勝ち、こちらもG1馬となった。

 後のG1馬を2頭輩出したこの年は、素質馬が多数出走するサウジアラビアロイヤルカップの歴史でも、屈指のハイレベルなレースであった。

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