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まさか、こんな子が生まれるなんて…思わず唸る血統のサプライズ【父と子でタイプが違う馬 5選】

text by 中西友馬

競馬は、代々受け継がれる血統のドラマが魅力のひとつである。長年競馬を見ていく中で、好きな馬の子どもを応援したり、夢の配合に胸を躍らせ、POGや一口馬主で楽しむ人も少なくないだろう。そこで今回は、あえて父と子でタイプの“違う”親子に注目。父と子で色々な違いがありながらも、共に活躍した5組を紹介していく。[1/5ページ]

①ロードカナロアとアーモンドアイ

ロードカナロア(写真左)とアーモンドアイ(写真右)
ロードカナロア(写真左)とアーモンドアイ(写真右)

 最初に紹介するのは、競馬ファンがこのテーマを見た時に、最初に思いつく人が多いであろう、ロードカナロアとアーモンドアイの組み合わせ。

 父ロードカナロアは、スプリンターとしては日本歴代最強馬との呼び声も高く、スプリンターズS連覇、高松宮記念制覇に加えて、短距離界制圧後はマイルG1の安田記念にも殴り込み。見事勝利を収め、スプリントとマイルの2冠を達成した。

 ただ、やはり一番印象的だったのは、スプリント界では世界最強の香港勢を向こうに回して、香港スプリントを勝利したこと。

 史上初となる日本勢による香港スプリント勝利を達成し、さらには引退レースで連覇を達成。今まで日本のスプリンターにとって高い壁だった、香港勢の牙城を崩した走りは、日本国内だけでなく世界に衝撃を与えた。

 そんな天才スプリンターであるロードカナロアの初年度産駒として、エリザベス女王杯を制したフサイチパンドラとの間に誕生したのが、アーモンドアイであった。

 桜花賞で父にG1初制覇をプレゼントすると、そのまま史上5頭目となる牝馬3冠を達成。さらに3歳時のジャパンカップでは、2分20秒6という2400mの世界レコードも樹立した。

 古馬になってもその能力は衰えるところを知らず、ドバイターフでの海外G1制覇や天皇賞(秋)連覇など、数々の偉業を達成。

 引退レースとなった5歳秋のジャパンカップでは、2歳下の牡馬3冠馬コントレイル、同じく2歳下の牝馬3冠馬デアリングタクトとの3冠馬対決が実現。その歴史的な一戦を制し、G1・9勝目を挙げて自らの花道を飾った。

 そしてその9つのG1タイトルのうち、桜花賞とヴィクトリアマイルを除く7勝を、父ロードカナロアが走ったことのない1800m以上の距離でマーク。距離適性の面から、タイプの違う親子と言えるだろう。

 父ロードカナロアにとっても、初年度産駒でアーモンドアイを輩出したことで距離の融通性を証明することなり、種牡馬としての勝ちを大きく高める存在となった。

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