東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は11月22~24日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[3/3ページ]
11月23、24日の2歳戦レビュー

◆シュネルアンジュ
11月23日 新馬・牝 京都ダ1800m 1着
評価:★★★★
騎手:武豊
厩舎:栗東・寺島良
父:キズナ
母:マーガレットメドウ
母の父:Distorted Humor
《短評》
ゲートの一歩目はあまり速くなかったが、7頭立ての6番枠で大きな問題にはならず。外の3~4番手で流れに乗った。3~4角中間あたりから鞍上の手が動き始め、4角ではステッキも一発入るなど手応えはあまりよく見えなかったが、直線に向くとエンジンがかかって前をきっちり捕らえた。
勝ち時計1:53.2は先に取り上げた土曜ジャスティンダラスより0.5秒遅いが、牝馬限定の新馬戦という条件を考慮すれば十分すぎるタイム。ラスト12.5-12.3の加速ラップでもあった。距離はもう少しあってもよさそう。関東オークスの有力候補だ。
◆エムズビギン
11月24日 未勝利 東京芝2000m 1着
評価:★★★
騎手:C.デムーロ
厩舎:栗東・友道康夫
父:キタサンブラック
母:デルフィニア2
母の父:Galileo
《短評》
出遅れ。直後から鞍上が促して中団へリカバーしたが、今度は逆に引っかかった。それでも余力があって、4角は最内を通し、直線で逃げ馬の外に切り替えて差し切り勝ち。2馬身半Vとなった。
この日の東京は2勝クラスの芝2400mで2:23.3、1勝クラスのマイルで1:32.0など馬場が極端に速かった。勝ち時計2:00.1はもちろん悪くないが、特段強調するほどでもない。
ただ、ゲートや折り合いなどにまだ課題を残す現状でも勝てた点は高評価。伸びしろがある。
◆マクリール
11月24日 未勝利 東京ダ1600m 1着
評価:★★★★★
騎手:ルメール
厩舎:美浦・手塚貴久
父:ロードカナロア
母:アイリッシュシー
母の父:Galileo
《短評》
デビュー戦は砂を被って反応が悪く、残り100mほどでようやくエンジンがかかって猛追した2着。ポテンシャルの片鱗は見せていた。今回は五分のスタートから促して好位のインを追走。馬群に揉まれても嫌がる素振りはなかった。
直線はステッキに応えて加速し、2着フィンガーをあっさり捕らえ、リードを3馬身に広げてゴールした。
良馬場での勝ち時計1:37.1はとても優秀。同日もうひとつの2歳未勝利(カレイジャスビート)よりは0.6秒速く、当コースの良馬場2歳戦として歴代2位のタイムだった(1位は2020年カトレアS、レモンポップの1:36.4)。
ラストを12.1-11.7という高水準の加速ラップでまとめた点も含め、これはかなりの好印象。半姉に交流重賞で活躍したキャリックアリードがいる血統。こちらもダートの重賞戦線に乗ってきそうだ。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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