ブラッドスポーツ、そう呼ばれるほど競馬の世界で血統は重要だ。勝てない血が淘汰され、勝てる血が残っていく。だが、時として常識を覆す例外も現れる。G1を勝てなかった父から、突然、類まれな才能を持つ名馬が生まれるのだ。まさに「とんびが鷹を生む」。今回は、無冠の父から生まれ、G1を制した5頭の名馬を紹介する。[4/5ページ]
④ロゴタイプ(父ローエングリン)

次に紹介するのは、ロゴタイプ。その父はローエングリンで、現役時代はG2・4勝を含む10勝を挙げたが、G1タイトルには手が届かなかった。
しかし3歳時には、いわゆる「残念ダービー」と呼ばれた駒草賞を制して、宝塚記念に出走。果敢にハナを切ってダンツフレームの3着に健闘した。
海外遠征にも積極的だった印象で、ムーランドロンシャン賞2着や香港マイル3着など、何度もG1タイトルにあと一歩のところまで近づいた。8歳で中山記念を勝利するなど息の長い活躍を見せ、現役引退後は種牡馬入り。
その2世代目として誕生したのが、ロゴタイプであった。重賞4勝馬のローエングリンを父に持ち、園田で2勝を挙げた母ステレオタイプから誕生したロゴタイプは、2歳6月と早い時期にデビューを果たし、2歳時から活躍。朝日杯FSでは、断然人気のコディーノの追撃を抑え、2歳王者に輝いた。
さらには皐月賞ではエピファネイアらを抑え、クラシック勝利も達成。古馬となってからは、父ローエングリンと同じく芝マイル〜中距離路線を中心に活躍。
6歳時には、向かうところ敵なしだったマイル王者モーリスを2着に下して安田記念を勝利。父が4度挑戦していずれも跳ね返されたタイトルを、見事に獲得してみせた。
その後、翌年の安田記念でも2着に入るなど、父同様に息の長い活躍を見せたロゴタイプ。7歳で現役引退するまでにG1・3勝を挙げ、父ローエングリンのポテンシャルの高さを存分に証明した、親孝行な息子であった。



