HOME » コラム » 5選 » 【無冠の父から生まれたGⅠ馬 5選】とんびが鷹を生んだ?血統の常識を超えた競馬のロマン » ページ 2

ブラッドスポーツ、そう呼ばれるほど競馬の世界で血統は重要だ。勝てない血が淘汰され、勝てる血が残っていく。だが、時として常識を覆す例外も現れる。G1を勝てなかった父から、突然、類まれな才能を持つ名馬が生まれるのだ。まさに「とんびが鷹を生む」。今回は、無冠の父から生まれ、G1を制した5頭の名馬を紹介する。[2/5ページ]

②カンパニー(父ミラクルアドマイヤ)

2009年天皇賞(秋)を制したカンパニー
2009年天皇賞(秋)を制したカンパニー

 次に紹介するのは、カンパニー。その父はミラクルアドマイヤで、現役時代はデビュー戦で武豊騎手が騎乗して勝利を収めるものの、脚部不安により1年以上の長期休養を余儀なくされる。

 その後復帰を果たすも、2戦して勝利を挙げることはできず、3戦1勝で現役を引退。種牡馬になるには到底及ばない戦績であったが、父が名種牡馬トニービン、半兄にダービー馬フサイチコンコルドがいる良血から、種牡馬入りが決定した。

 良血馬とはいえ交配相手はなかなか集まらない状況であったが、その数少ない初年度産駒の中から誕生したのが、カンパニーであった。

 3戦1勝のミラクルアドマイヤを父に持ち、現役時代は短距離戦で3勝を挙げた母ブリリアントベリーから誕生したカンパニーは、3歳春までに3勝を挙げ、クラシック最終戦の菊花賞(9着)に出走した。

 その後、古馬となってもG1ではあと一歩足りなかったが、重賞勝利を積み重ね、迎えた8歳の天皇賞(秋)。前哨戦の毎日王冠で重賞7勝目を飾った勢いそのままに、末脚を爆発させて勝利。

 G1・13回目の挑戦にして、史上初となる8歳でのG1制覇を飾った。さらには、続くマイルCSも勝利してG1を連勝し、惜しまれながらもターフに別れを告げた。

 このカンパニーの活躍によって一時的に種付け数の増えた父ミラクルアドマイヤであったが、カンパニーに続く活躍馬は現れなかった。

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