HOME » コラム » 5選 » 【騎手のラストスパート率ランキング】秋・冬に勝ちまくるのは誰?データが暴く“追い込み型騎手”とは… » ページ 5

今年も残り1ヶ月強。各部門のリーディングを本格的に意識し始める時期になった。そこで今回は、10月〜12月という1年の終わりの時期に、勝ち星を量産する騎手に注目したい。過去5年の年間勝ち鞍に対し、10〜12月の勝ち鞍がどれだけ占めるかを示す“ラストスパート率”を算出。そのランキングのトップ5を順に紹介する。[5/5ページ]

※9月15日終了時点で50勝以上、かつ過去5年間の通算勝利数が250勝以上のJRA所属騎手を対象とした結果、該当者は12名となった。

第1位:C.ルメール(ラストスパート率28.8%)

クリストフ・ルメール騎手
クリストフ・ルメール騎手

 第1位に輝いたのは、ルメール騎手。現時点で全国リーディング1位に甘んじているが、昨年まで2年連続のリーディングジョッキーであるルメール騎手が、ラストスパート王に輝いた。

 過去5年で853勝を挙げているのももちろん桁違いだが、そのうち246勝を10月以降で量産。ラストスパート率は「28.8%」となっている。

 2020年は204勝のうち59勝、2021年は199勝のうち58勝、2022年は109勝のうち32勝、2023年は165勝のうち49勝、2024年は176勝のうち48勝を、10月以降にマークしている。

 勝利数ももちろんすごいが、秋〜年末にかけてのG1での活躍がすさまじく、5年前の2020年には、スプリンターズS(グランアレグリア)、天皇賞・秋(アーモンドアイ)、エリザベス女王杯(ラッキーライラック)、マイルCS(グランアレグリア)、ジャパンカップ(アーモンドアイ)と、10月以降だけでG1・5勝。

 さらには2年前の2023年にも、菊花賞(ドゥレッツァ)、天皇賞・秋(イクイノックス)、エリザベス女王杯(ブレイディヴェーグ)、ジャパンカップ(イクイノックス)、ホープフルS(レガレイラ)で勝利を挙げ、この年もG1・5勝の固め打ちを果たしている。

 もちろん、グランアレグリアやアーモンドアイ、イクイノックスといったスターホースの主戦であったということもあるが、やはりこの時期には存在感を増してくる印象だ。

 年明けには母国に帰ることも多く、毎年スロースターターなイメージではあったが、それがラストスパート率に顕著に現れており、秋〜年末のG1シーズンに合わせてきているということが分かる。

 今年の秋もすでに、秋華賞(エンブロイダリー)、菊花賞(エネルジコ)、天皇賞・秋(マスカレードボール)でG1勝利を挙げている。ここからさらにG1勝ち星を伸ばすことも十分に考えられるだろう。

 今回挙げた5人に関しては、平均の値となりそうな[3ヶ月/12ヶ月=25%]を超える値をマークした。ちなみに、第6位の団野大成騎手までが「26.4%」で25%を超えている。

 今まであまり意識したことはなかったが、10月以降はここで挙げた騎手にも注目しながら、レースを見ていきたい。

【了】
(文●中西友馬)

【関連記事】
実はG1で勝負弱い?「通算3000勝」間近のあの大ベテランが断トツ【優勝より2着が多い現役騎手5人】
【武豊の“劇場型”G1制覇5選】レジェンドが描いたハラハラドキドキ「84分の5」のストーリー
【2024年JRA重賞単勝配当ランキングトップテン】「これは買えんわ」昨年最も荒れた重賞レースは?

1 2 3 4 5