HOME » コラム » 新馬・未勝利情報 » 【東大流・次世代スター発掘】マスターソアラに★5 「東京マイルの2歳戦史上初となる上がり32秒台でのV」 » ページ 2

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は11月15、16日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[2/3ページ]

11月15日の2歳戦レビュー評価一覧

2025年11月15日2歳新馬/1着マスターソアラ
2025年11月15日2歳新馬/1着マスターソアラ

◆オルフセン

11月15日 未勝利 東京芝2000m 1着
評価:★★★★★
騎手:マーカンド
厩舎:美浦・斎藤誠
父:キズナ
母:スターズアラインド
母の父:Sea The Stars

《短評》
 アオるようなスタートでやや出遅れ。道中は中団インでの追走となった。引っかかることもモタつくこともなくいい手応えで直線に向かうと、馬群の狭いスペースを割って抜け出し、逃げ粘るヨカオウを捕らえた。

 勝ち時計2:00.8自体も2歳戦としては上々だし、ラスト11.3-11.2の加速ラップを差し切った点でさらに優秀。窮屈なスペースに臆せず入っていって脚を使い、レースセンスの高さも示した。

 セレクションセール1億1000万円(税込)の落札額にふさわしい、大物感を見せた一戦だった。

◆マスターソアラ

11月15日 新馬・牝 東京芝1600m 1着
評価:★★★★★
騎手:横山武史
厩舎:美浦・蛯名正義
父:シスキン
母:マスターワーク
母の父:ダイワメジャー

《短評》
 スタートはバランスがイマイチで若干外にヨレたが、大きくは出遅れず。中団で脚を溜めて4角で外に出し、ステッキが入ると一気に加速。2着シニャンガとの追い比べをクビ差制した。

 相変わらず東京芝は速い上がりが出すぎの感も否めないが、東京マイルの2歳戦で上がり32秒台をマークしたのは1986年以降でわずか4頭目。勝ち馬としては初の32秒台だった。

 全体時計1:34.8も同日の未勝利戦、および翌日の新馬戦よりは速い。来春の桜花賞戦線で台風の目となりうる。

◆グレースジェンヌ

11月15日 新馬・牝 京都芝1600m 1着
評価:★★★
騎手:北村友一
厩舎:栗東・上村洋行
父:モーリス
母:モルガナイト
母の父:アグネスデジタル

《短評》
 好スタートから二の脚を使って外の3番手へ。余裕ある手応えで内回りの直線に入ると、先行したケンブリッジグレイをソツなくかわしきった。

 そこまでスパっとキレた感じはしなかったが、ラストは11.7-11.5の加速ラップ。派手さはないがレースセンスはよさそうで、クラスが上がってもコツコツ稼いでいけるだろう。

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