今年も大物外国馬が参戦予定のジャパンカップ。草創期には及ばないが、一時期の外国馬の出走がゼロという時期を乗り越え、再び有力馬が参戦するようになったことは非常に喜ばしいことである。
2005年アルカセット以来となる外国馬の優勝を目にする日も、いよいよ近づいているのかもしれない。
そこで今回は、ジャパンカップに挑戦した凱旋門賞馬に注目。その中でも印象に残った5頭を、ピックアップして紹介する。[4/5ページ]
④デインドリーム(2011年)

次に紹介するのは、デインドリーム。この馬も、ナカヤマフェスタとヒルノダムールが参戦した凱旋門賞を勝利したことと、のちに産駒が日本でデビューしたこともあり、日本の競馬ファンには馴染みのある馬である。
ドイツ生まれのドイツ調教馬であるデインドリームは、3歳時の2011年に凱旋門賞で勝利を挙げる。戦前は伏兵評価であったが、後続を5馬身突き離す圧勝。ドイツ産馬として史上初の凱旋門賞制覇の快挙を、レコードタイムで達成した。
その後、来日したデインドリームは、2011年のジャパンカップへと出走を果たすこととなる。同年の凱旋門賞馬としては、モンジューが参戦してから12年の年月が経っていた。
また、外国勢の苦戦が続くことから参戦自体が減っている状況だったため、凱旋門賞馬デインドリームの参戦は、2011年のジャパンカップを盛り上げる大きな要因となった。
この年の日本の大将格は、デインドリームと同じ牝馬のブエナビスタ。前年は1着入線ながら降着があっての2着という憂き目を見ており、その後はどのレースでも人気を背負いながら、1年間勝利はなし。屈辱を晴らしたい舞台であり、1番人気デインドリームと僅差の2番人気に支持されて、発走を迎えた。
レースは、好位のインを追走するブエナビスタに対して、デインドリームは後方からの競馬。直線の進路どりも、馬群の中で前が開くのを待っているブエナビスタとは対照的に、馬群の大外から早めにエンジンをかけるデインドリーム。
最後は他馬と同じ脚いろになってしまったデインドリームを尻目に、ブエナビスタは前が開くと同時に先頭争いへと加わり、トーセンジョーダンとの叩き合いを制した。デインドリームは上がり34秒0の脚を使うも、6着までとなった。
現役引退後は、2020年から日本で繁殖生活を送っていたが、2023年に蹄葉炎の悪化によって安楽死処分となった。2025年カムニャックでJRA・G1初制覇を果たした、シュタルケ騎手とのコンビも印象的な馬であった。



