競馬の世界では「最強世代論争」が絶えない。スペシャルウィークを筆頭とした“98年クラシック世代”をはじめ、名馬が群雄割拠した時代はいくつもある。
では、牝馬の世界ではどうだろうか。
特に「牝馬の時代」という言葉が浸透してからは、牡馬に勝りの名牝が次々と誕生し、世代間の比較もますます面白くなっている。そこで今回は、2000年から2015年に生まれた16世代を対象に、古馬混合重賞の勝利数から“牝馬最強世代”をトップ5を紹介したい。[5/5ページ]
第1位 32勝(うちG1・11勝)
■2004年生まれ(主な活躍馬:ウオッカ、ダイワスカーレット、スリープレスナイト、カノヤザクラ)

アーモンドアイ、ラッキーライラック世代を上回るJRAの古馬混合重賞32勝を挙げたのは、2004年に生まれたあの世代だ。
2007年の牝馬クラシックは、桜花賞と秋華賞をダイワスカーレットが、オークスをローブデコルテがそれぞれ制したが、主役はダービー馬のウオッカだった。
ウオッカは、桜花賞と秋華賞こそ“ライバル”に敗れたが、果敢に挑戦したダービーで牡馬を一蹴。その後も3歳春の宝塚記念に挑戦するなど、6歳春までタフに走り続けた。古馬混合重賞の勝利数は5つ(すべてG1)を数え、そのすべてを東京競馬場で挙げている。
一方のダイワスカーレットは、3歳秋のエリザベス女王杯と4歳暮れの有馬記念をいずれも逃げ切り勝ち。他に4歳春の大阪杯(当時G2)を制している。
ウオッカか、それともダイワスカーレットか、史上最高のライバル論争は語り尽くせないが、いずれにしても歴史的な牝馬の豊作イヤーだったことに間違いはない。
この2頭以外には、スリープレスナイト(スプリンターズSなど)とカノヤザクラ(アイビスサマーダッシュ連覇など)が重賞3勝ずつ、ともに芝の短距離路線で挙げている。また、クィーンスプマンテ、エイジアンウインズ、アストンマーチャンの3頭がG1ウイナーとなり、層の厚さを見せた。
ちなみに今回の企画で取り上げた16世代の中で、“ウオッカ&ダスカ”世代が古馬混合重賞勝利数、同勝利頭数でも第1位。この世代が、文句なしの牝馬最強と呼んでもいいだろう。
【了】
(文●中川大河)
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