HOME » コラム » 新馬・未勝利情報 » 【東大流・次世代スター発掘】ラヴェニューに「GⅠレベル」の★6 「レース後半5F57.2秒は、東京芝1800mの2歳戦史上最速」 » ページ 3

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は11月8、9日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[3/3ページ]

11月9日の2歳戦レビュー

◆ラディアントスター

11月9日 未勝利 東京芝1800m 1着
評価:★★★
騎手:戸崎圭太
厩舎:美浦・林徹
父:サトノアラジン
母:ミスエリカ
母の父:Blame

《短評》
 道中は中団の外目を追走。4角から直線入り口にかけて肩ムチが入るとしっかり反応し、残り300mあたりから仕掛けてあっさり抜け出す。最後は多少詰め寄られたが、1.3/4馬身のリードを保って押し切った。

 雨の影響で前日よりはやや時計がかかる馬場になっていて、勝ち時計1:47.1はまずまずの記録。前日ラヴェニューの強烈なパフォーマンスに比べると見劣りはするが、こちらもこちらで水準レベルの価値はある。

◆マテンロウゲイル

11月9日 未勝利 京都芝2000m 1着
評価:★★★★
騎手:横山和生
厩舎:栗東・野中賢二
父:エピファネイア
母:デザートライド
母の父:Candy Ride

《短評》
 デビュー戦はラスト2F11.1-11.1に自身の上がり33.1秒で追い込み2着。2戦目も上がり32.8秒を繰り出したが、ペースが遅すぎて前を差し切れなかった。普通に走れば確勝だろうと見ていた今回は、あいにくの雨に見舞われた。

 鞍上が替わったのもあり、スタートから出していって4番手先行。道中はスローにもかかわらず終始手応えが怪しく、3~4角は馬群の一番外を回る苦しい競馬になった。それでもめげずにラスト1Fで一気に差を詰め、ゴール寸前、首の上げ下げでギリギリ差し切った。

 正直、道悪も内回りの競馬もさっぱり合わなかったと思うが、今回は能力の違いで強引に解決した勝利。良馬場ならもっと楽勝していただろう。着差がつかなかったのはある意味“目くらまし”として好都合。次走が道悪でなければ馬券で狙ってみたい。

【了】

(文●鈴木ユウヤ)

<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。

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