HOME » コラム » 新馬・未勝利情報 » 【東大流・次世代スター発掘】ラヴェニューに「GⅠレベル」の★6 「レース後半5F57.2秒は、東京芝1800mの2歳戦史上最速」 » ページ 2

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は11月8、9日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[2/3ページ]

2025年11月8日東京2歳新馬/1着ラヴェニュー
2025年11月8日東京2歳新馬/1着ラヴェニュー

◆グリーンエナジー

11月8日 未勝利 東京芝2000m 1着
評価:★★★★★
騎手:戸崎圭太
厩舎:美浦・上原佑紀
父:スワーヴリチャード
母:シンバル
母の父:Singspiel

《短評》
 好スタートからガッチリと抑えたまま2番手確保。道中は行きたがるのを我慢させながら運んだ。直線に向いても仕掛けを待つ余裕があり、結局残り200mあたりから軽く追われた程度。最後までステッキが入ることもなく、流して3馬身差の楽勝だった。

 前提として今秋の東京芝は上がりが出すぎている印象もあるが、後半5F57.9秒、上がり32.9秒はそれぞれ優秀な数字。

 東京の2歳戦で「後半5F57秒台」「勝ち馬の上がり32秒台」を両方満たしたのはイクイノックスの東スポ杯2歳SとダノンエアズロックのアイビーSしかない。重賞で戦っていける器だろう。

◆ラヴェニュー

11月8日 新馬 東京芝1800m 1着
評価:★★★★★★
騎手:戸崎圭太
厩舎:栗東・友道康夫
父:ロードカナロア
母:コンテスティッド
母の父:Ghostzapper

《短評》
 スタート後に若干モタつく場面もあったが、促して外の3番手へ。4角は気合をつけながら回って直線に向くと、そこからは圧巻のパフォーマンス。ステッキに応えて後続を一気に突き放し、最後は流して5馬身差Vとなった。

 前記の通り、速い上がりが頻出する馬場ではあるが、勝ち時計1:46.7で後半5F57.2秒の数字は極めて秀逸。ほぼクロワデュノール新馬(1:46.7、57.3秒)と同じ。それどころか、この「後半5F57.2秒」は当コースの2歳戦史上最速にあたる。

 東京芝1800mの2歳戦で「勝ち時計1:46.9以下」かつ「後半5F57秒台」を満たしたのはイクイノックス、コントレイル、クロワデュノールに次ぐ4例目。しかもラストは11.3-11.2の加速ラップだった。これは衝撃的。度肝を抜かれた。

 いよいよ「GⅠ確定レベル」の★7を出すか非常に迷ったが、馬場の高速度合いが引っかかって今回は★6にした。いずれにせよ素晴らしい能力を秘めているのは間違いない。来年のクラシックが楽しみだ。

◆アドマイヤシュラ

11月8日 新馬 京都芝1800m 1着
評価:★★★★
騎手:C.デムーロ
厩舎:栗東・友道康夫
父:エピファネイア
母:アドマイヤミヤビ
母の父:ハーツクライ

《短評》
 ゲートは五分に出たが二の脚でなかなかスピードに乗れず、促されて中団のインへ。4角では内ラチ沿いの3番手まで取り付いていた。直線も瞬時には動けなかったが、ステッキが入ってエンジン点火。ゴール前でしっかり差し切った。

 勝ち時計1:47.2は京都芝1800mの2歳新馬歴代2位の好タイム。同日未勝利戦のネッタイヤライと全体時計は同じで、上がりはこちらの方が速かった。血統的にもレースぶり的にも距離はもっとあってよく、2400mのオークスがいかにも合いそうだ。

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