日本競馬の最高峰・ジャパンカップ。2025年現在、44回の開催で牝馬が勝利したのはわずか10度。そのうち、日本の牝馬でこの大舞台を制したのは、たったの5頭しかいない。今回は歴史に名を残した彼女らが制したジャパンカップをひとつずつ取り上げ、じっりと紹介していきたい。[3/5ページ]
③2012・2013年 ジェンティルドンナ

2025年現在、ジャパンカップを2度制した馬はレース史上でわずか2頭。そのうち、連覇を成し遂げたのはジェンティルドンナただ1頭である。
なかでも初制覇となった3歳時のインパクトは、今なお強烈なインパクトを残している。
当時、牝馬三冠を達成したジェンティルドンナは、古馬牝馬との戦いとなるエリザベス女王杯ではなく、あえて牡馬も混じるジャパンカップに挑戦してきた。
しかも、この年は凱旋門賞を2着とし、当時の現役最強クラスだったオルフェーヴルも参戦。いきなりの頂上決戦となった。
さらに、春の香港で行われたクイーンエリザベス2世カップを制したルーラーシップや、天皇賞(秋)で古馬に迫ったフェノーメノなども出走。
外国からも凱旋門賞馬のソレミアを筆頭とする5頭が参戦し、かなり濃いメンバーが顔を揃えていた。
レースは逃げたビートブラックを見ながら好位で進めるジェンティルドンナと、ここまで同様中団後方で構えるオルフェーヴルの動きに焦点が集まるレースに。
先に仕掛けたのはオルフェーヴルの方だったが、これを見て内からジェンティルドンナも進出を開始。
坂の手前で2頭が馬体を合わせると、ゴールまでお互いの馬体がぶつかり合う激しい叩き合となった。
しかし外からアタックした先輩三冠馬のオルフェーヴルに、ジェンティルドンナは決して先頭を譲らないままゴールイン。
牝馬三冠に加えてのもう一冠がジャパンカップ制覇という、何とも規格外な「四冠」達成であった。
翌年、今度はムーア騎手を背に出走すると、好位番手から再び鋭い脚を繰り出して1着。
瞬発力に加え、追い込んできたデニムアンドルビーを抜かせない二枚腰を見せつけて、史上初のジャパンカップ連覇を事も無げにやってのけた。



