東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は10月25、26日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[2/3ページ]
11月2日の2歳戦レビュー

◆モートンアイランド
11月2日 新馬・牝 東京芝1600m 1着
評価:★★★★
騎手:ルメール
厩舎:美浦・手塚貴久
父:モーリス
母:モシーン
母の父:Fastnet Rock
《短評》
好スタートから若干後退して5~7番手集団での競馬に。直線は馬群からスムーズに抜け出し、ステッキに反応してもうひと伸び。2着馬に差を詰めさせずに押し切った。
2歳新馬で1:33.6、ラスト11.4-11.3の加速ラップは本来なら重賞級と言える数字だが、この日は土曜よりさらに一段階、時計も上がりも速い馬場。
1Rの(決してメンバーが揃っていたとは言えない)2歳未勝利戦でも1:33.6が出ている点を考慮して★4に留めた。
◆メイショウカクウチ
11月2日 新馬 京都ダ1400m 1着
評価:★★★★
騎手:菱田裕二
厩舎:栗東・飯田祐史
父:エスポワールシチー
母:メイショウコゴミ
母の父:クロフネ
《短評》
芝発走の外枠からダッシュを効かせて2番手へ。4角出口で早々と先頭に立つと直線は完全に独り舞台。後続は離れる一方で、最終的に2.5秒もの大差をつけて入線した。
勝ち時計1:24.8は先日行われたなでしこ賞(1:24.7)とほぼ同じ水準。新馬戦としてはもちろん優秀だ。
ただ、この日の馬場で1:27.3を要した2着馬以下が振るわなすぎた印象もある。着差のインパクトは鵜呑みにしない方がいいかもしれない。昇級戦であまりにも一本被りなら逆張りの余地も残す。
◆ヒシアイラ
11月2日 新馬 京都芝1600m 1着
評価:★★★★
騎手:荻野極
厩舎:栗東・池江泰寿
父:モーリス
母:ジングルベルロック
母の父:Rock of Gibraltar
《短評》
好スタートから枠なりに外目を先行。序盤はやや折り合いに苦労したが、600mほど行って収まった。内回りの4角で外からスーッと上がっていき、直線は鞍上の合図に応えて鋭く加速。余力十分に差し切って2馬身差の快勝となった。
この日はメインの古馬OP(※外回り)で1:32.5が出た高速馬場であり、全体時計1:35.9は特に目立つ記録ではない。
ただ、仕掛けてからの反応のよさと、ラスト11.4-11.2の加速ラップは秀逸。まだまだ秘めたポテンシャルを感じさせる。上のクラスでどんな走りができるか楽しみだ。



