年末の有馬記念までG1が続く季節。迷った時は“騎手買い”をするファンも多いだろう。今春はJ.モレイラ騎手やD.レーン騎手ら外国人ジョッキーが席巻し、日本人ジョッキーの惜敗は続いた。そこで今回は、JRAのG1で優勝より2着が多い現役騎手――いわば“騎手版シルバーコレクター”の5人をランキング形式で紹介したい。[4/4ページ]
  
  
【1位】落差-20
横山典弘(1着28回、2着48回)

 G1で2着の多さが目立つ騎手第1位はなんと大ベテランの横山典弘騎手だった。
JRA通算2988勝を誇る57歳は、これまでG1を28勝しているが、これは現役騎手の中で、武豊騎手(84勝)、C.ルメール騎手(56勝)、M.デムーロ騎手(34勝)、川田将雅騎手(29勝)に次いで5番目に多い数字だ。
ただし、横山典騎手は2着の回数が48回と多く、武騎手の78回に次いで現役2位。優勝回数よりも20回も多く悔し涙を飲んでいる。
 どちらかというと大胆な大逃げや後方ポツンを見せる策士の横山典騎手だけに、2着が多いのはかなり意外といえるだろう。
  
  
そんな横山典騎手が最も“勝負弱かった”時期が2001年秋から2009年春にかけて。
この7年半の間に24回ものG1連対があったが、勝ち切ったのはイングランディーレとのコンビで逃亡劇を演じた2004年の天皇賞・春だけ。残りの23回は全て銀メダルに終わっていた。
この7年半の期間を除けば、1着27回、2着25回と1着の方が多く、不惑の40歳を迎えてからは、むしろG1での勝負強さが光っている。
また横山典騎手の特徴の一つが、武騎手にとってのディープインパクトや川田騎手にとってのリバティアイランドのような絶対的なコンビと呼べる馬がいないことだろう。
これまで同一の馬でJRAのG1を3勝したことがなく、2勝したのもサクラローレルやセイウンスカイなど6頭いるだけだ。
 年齢的に現役生活もカウントダウン状態に入った横山典騎手。最後に最強コンビと呼べるパートナーを見つけ、優勝回数を積み上げることができるか。
  
  
【了】
(文●中川大河)
【関連記事】
・7月以降に急失速…天国と地獄を味わった騎手5人!? ワースト1位は6月まで27勝も、7月から1勝のみ
・“令和のスティールハート”はこの馬だ!産駒は2歳で才能開花…「早熟型」現役種牡馬トップ5
・【武豊の“劇場型”G1制覇5選】レジェンドが描いたハラハラドキドキ「84分の5」のストーリー



