④ラッキーライラック
当然の話ではあるが、3冠を達成した名馬と同世代の馬は、クラシックとの縁はないこととなる。
G1・4勝を挙げたラッキーライラックと同じ世代には、G1・9勝を挙げた3冠牝馬アーモンドアイがいた。
オルフェーヴル第1世代であるラッキーライラックは、2歳8月にデビュー。産駒の重賞初制覇こそロックディスタウンに譲ったが、2戦2勝で迎えた阪神JFを制して、父にG1初制覇をプレゼント。
3歳初戦のチューリップ賞を制して4戦4勝で迎えた桜花賞で、アーモンドアイと初顔合わせとなる。
好位からレースを進めて完全な勝ちパターンであったが、大外から異次元の末脚で飛んできたアーモンドアイに交わされて2着。デビューからの連勝も4でストップした。
その後、打倒アーモンドアイを掲げたオークスは3着、夏を経て迎えた秋華賞は9着と、いずれもアーモンドアイの前に敗れたラッキーライラック。
史上5頭目となる牝馬3冠を達成したアーモンドアイに対して、ラッキーライラックは3歳時G1未勝利に終わった。
古馬となってからもなかなか勝ち切れないレースが続いたラッキーライラックだったが、4歳時のエリザベス女王杯で1年8ヶ月ぶりの復活勝利。
テン乗りのスミヨン騎手による叱咤に応えてラチ沿いを突き抜け、上がり32秒8の豪脚でG1・2勝目を挙げる。
翌年の大阪杯でさらにG1タイトルを積み上げたラッキーライラックは、京都競馬場の改修工事によって阪神競馬場で行われたエリザベス女王杯を連覇。G1・4勝を挙げて、5歳時の有馬記念を最後に引退した。
オルフェーヴル産駒らしくなく、G1・4勝すべてで33秒台の上がりをマークし、4歳時のエリザベス女王杯に至っては32秒8というキレッキレの走りを見せたラッキーライラック。
クラシック3冠を達成した父に対して、自身は牝馬クラシック無冠。色々な意味でオルフェーヴル産駒らしくない部分も多い名牝であった。