【東大流・次世代スター発掘】ラフターラインズに★5「コントレイル、イクイノックスらに匹敵する快記録」
東大流・次世代スター発掘
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は10月4、5日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。
【評価の目安】
★7:GⅠ確定レベル
★6:GⅠレベル
★5:重賞レベル
★4:OPレベル
★3:水準レベル
★2:やや物足りない
★1:物足りない
10月4,5日の2歳戦レビュー
◆ファインサマーデイ
10月4日 新馬 東京芝1400m 1着
評価:★★★
騎手:菅原明良
厩舎:美浦・高柳瑞樹
父:ファインニードル
母:ミッドサマーハウス
母の父:Heart’s Cry
《短評》
最内枠から好スタートを決め、やや促してハナへ。そのまま直線に入り、残り400mあたりから気合いを付けて加速。後続を振り切って2馬身半差で勝利した。
前半3F36.8秒という超スローペースだったこともあり、勝ち時計1:23.4は正直褒められない。ただ、ラスト2F11.0-11.1の瞬発力は上々だった。もっと負荷のある展開に対応できるかは未知だが、水準レベルの素質は感じる。
◆エコロシード
10月5日 未勝利 東京ダ1400m 1着
評価:★★★★
騎手:佐々木大
厩舎:美浦・堀宣行
父:Adios Charlie
母:Baby Sister
母の父:Uncaptured
《短評》
芝のデビュー戦は8着に敗れて、2戦目でダート替わり。スタートから主張してハナを切った。後続を引き付けて直線に向き、そこからは2着ヘリテージブルームとの熾烈な追い比べ。最後は並ばれたが、なんとかハナ差押し切った。マッチレースで3着以下には7馬身差がついていた。
勝ち時計1:25.1は当コースの良馬場の2歳戦としてはなかなか優秀なもの。前日最終レース、古馬の2勝クラスと比較しても0.3秒差だった。ラストも12.0-12.0と失速せずにまとめており、上位2頭は能力が高い。世代のOPで戦っていけるだろう。
◆プレセピオ
10月5日 未勝利 京都芝1600m 1着
評価:★★★
騎手:浜中俊
厩舎:栗東・笹田和秀
父:パドトロワ
母:パネットーネ
母の父:エピファネイア
《短評》
序盤から行きたがってしまい、抑えきれない感じで先頭へ。道中も引っかかり気味だった。それでも直線は脚を伸ばし、ミッキーラヴィータの追い上げをカラくも封じてハナ差勝ち。3着以下は5馬身離した。
開幕週とはいえ稍重での1:33.9というタイムは立派。京都内回りマイルで1分34秒を切った2歳戦はこのレース含め全15戦あり、その勝ち馬はミッキーアイル、ラヴズオンリーユー、アドマイヤズームの3頭がGⅠ馬に、ほかイフェイオンなど3頭が重賞を勝ち、アグネスワルツがオークス3着など活躍した。数字はいい。
一方、今回は序盤から折り合いを欠き、残り800mから11.3-11.4-11.6-12.3と我慢が効かなかったラップ構成。この気性だと昇級してしばらく苦労することになりそうだ。どちらかといえば外を回って差してきた2着ミッキーラヴィータの方が内容はよく見える。こちらも勝ち上がり目前だ。