④2019年 天皇賞(秋)
【出走した3歳馬】
サートゥルナーリア:6着
ランフォザローゼス:15着
すでにG1・5勝を挙げ、3歳にしてジャパンカップも制したアーモンドアイは、古馬初戦のドバイターフも制覇。スタート後に大きな不利のあった安田記念こそ3着に敗れたものの、向かうところ敵なしといった状態であった。
ゆえに2019年の秋は、彼女がどこまでタイトルを積み上げるかというところに焦点が集まっていた。
そんな彼女に3歳世代から挑戦してきたのが、クラシック路線を駆け抜けてきたサートゥルナーリアとランフォザローゼス。このうち、古馬を含めても打倒アーモンドアイの大将格と思われていたのがサートゥルナーリアだった。
前年のホープフルステークスを制し、2歳王者として挑んだ皐月賞はアタマ差という着差以上の快勝。二冠のかかった日本ダービーこそ4着に敗れたものの、前有利の馬場と出遅れで不完全燃焼に終わった感も強かった。
始動戦の神戸新聞杯を快勝したことでファンからの信頼も取り戻し、勇躍、女王との戦いに身を投じることに。
そしてランフォザローゼスも、日本ダービー以降は2戦続けて古馬と対決。強豪相手の毎日王冠で5着となったこと、名伯楽・藤沢和雄師の引退前最後の天皇賞(秋)とあって注目度も高かった。
スタート後は先団と中団、それぞれのベストポジションにつけた3歳馬2頭。なかでも2,3番手につけたサートゥルナーリアの行きっぷりは絶好で、直線もアーモンドアイの進路を締める好騎乗。
鞍上のクリストフ・スミヨン騎手の手腕も光り、アエロリット、ダノンプレミアムも交えた4頭横一線の叩き合いになるかと思われた。
だが、そこからは一瞬。空いた内からアーモンドアイが突き抜けると、みるみるうちに差を広げていく。
結果、サートゥルナーリアはユーキャンスマイルとワグネリアンにも交わされ6着で終戦。ランフォザローゼスも15着に終わり、先輩古馬たちの強さをまざまざと見せつけられる形となった。
しかしサートゥルナーリアは、次走の有馬記念では2着に好走。9着に敗れたアーモンドアイに一矢報いる形となった。
古馬となって以降は故障などもあり満足いく成績は残せなかったものの、種牡馬入り後は初年度産駒からショウヘイなどの重賞ウィナーを輩出。自身の競走能力をしっかり子供たちに伝えている。
そしてランフォザローゼスも引退後は乗馬に転身し、馬術競技にも出場。2025年には引退競走馬杯に参戦するなど、第二の馬生を順調に歩み始めている。