③2012年 天皇賞(秋)
【出走した3歳馬】
フェノーメノ:2着
カレンブラックヒル:4着
ジャスタウェイ:6着
1988年にオグリキャップが1番人気に支持されて以降、3歳馬が天皇賞(秋)で1番人気に推されることはなかった。だが2012年にフェノーメノが1番人気の支持を受けたことで、実に24年ぶりとなる3歳馬が1番人気となる。
ここまで東京コースではパーフェクト連対を誇り、日本ダービーは先行有利の展開の中で上り33秒9の脚を使い、勝ち馬からタイム差無しの2着に突っ込んできた実績を評価されてのものだった。
そして彼以外にも前哨戦の毎日王冠を史上初めて無敗で制したカレンブラックヒルと、同レースで2着となったジャスタウェイも出走を決めたことにより、この時点では史上最高に実績の揃っている3歳馬の参戦となった。
対する古馬勢からもルーラーシップ(2番人気)、ダークシャドウ(4番人気)など、G1での好走実績がある強豪が揃った。
レースは1枠1番から好発を決めたシルポートが1000m57秒3という超ハイペースで逃げ、それを3歳馬3頭が番手から見ていく形で進んで行った。直線に向くと先行集団の競り合いに決着をつけ、そのなかからフェノーメノが一歩抜け出そうとする。
その瞬間、最内で控えていたエイシンフラッシュの豪脚が炸裂。さらに大外からはルーラーシップも追い込み、ジャスタウェイとカレンブラックヒルは切れ味に屈して交わされた。
唯一、フェノーメノだけは最後まで脚を伸ばし続けていたが、乾坤一擲ともいえるエイシンフラッシュの豪脚には敵わず2着。カレンブラックヒルは5着、ジャスタウェイは6着と悔しい結果に終わった。
だが、このハイペースを番手から進めて上位争いに加わったのはこの3頭だけだったことからも、その素質は明らか。
そして翌年以降、カレンブラックヒルは重賞2勝、フェノーメノは天皇賞(春)連覇、ジャスタウェイは世界1位という道を歩む。彼らは3歳秋の時点で既に能力の片鱗を見せてくれていた。