④アーモンドアイ
通算成績は14戦10勝、うち7勝を東京競馬場で挙げたアーモンドアイ。牝馬三冠を含むG1を9勝し、前人未到の「9冠」を成し遂げた彼女の東京競馬場での複勝率は10割で、1度も馬券圏内を外さない安定ぶりを誇っていた。
そんな彼女が府中で挙げた7勝はいずれもファンに大きなインパクトを与えたが、なかでも3歳時のジャパンカップの走りは度肝を抜いた。
牝馬三冠の達成から転戦したこのレース、並みいる古馬の強豪を抑えてアーモンドアイは1番人気に推された。
レースは逃げるキセキが後続との差を広げていく中で2番手につけ、直線で上り34秒1の末脚を繰り出して優勝。好位追走から勝ち切るという、シンプルかつ強い勝ち方だった。
だが、その走破時計は2分20秒6。とても普通とは言えない異次元なタイムは、東京どころか、世界の芝2400mのレースレコードを更新するもの。まだ3歳の時点で世界の記録を塗り替えた牝馬に、翌年以降の飛躍を期待する人が続出したのは言うまでもないだろう。
この勝利の後も東京競馬場を中心に活躍を続け、5歳時の天皇賞(秋)では歴代のG1勝利数で単独1位に抜け出すG1・8勝目を挙げる。そして勢いそのままに、ラストランとなるジャパンカップでは2つ下の牡・牝三冠馬の2頭を相手に完勝。
見事にG1・9勝目を挙げてターフに別れを告げた。