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7月以降に急失速…天国と地獄を味わった騎手5人!? ワースト1位は6月まで27勝も、7月から1勝のみ

text by 中川大河

秋のG1シリーズ初戦、スプリンターズSが今週末に中山競馬場で行われる。それが終わると、翌週には秋の東京と京都開催が開幕。年末の有馬記念までの3か月間は競馬ファンにとって最も“熱い”時期でもある。

下半期もまもなく折り返しを迎えるが、このタイミングで上半期に比べて、下半期に成績を落とした騎手を5人紹介してみたい。

対象としたのは1月から6月までに20勝以上挙げた29人の騎手。そのうち、下半期にまだ騎乗回数の少ないJ.モレイラ騎手と、全く騎乗のないD.レーン騎手を除く27人をランク付けした。

基準としたのは勝利数ではなく、「勝率の下落幅」。上半期に天国を、下半期に地獄を味わっているのは果たしてどの5人なのか―――。

※勝利数および勝率は、9月21日終了時点での集計結果

幸英明騎手
幸英明騎手

【ワースト5位】幸英明

37勝→3勝(勝率8.0%→3.4%=4.6ポイントdown)

 右足の踵骨骨折により8月から休養中の49歳ベテランがワースト5位にランクインした。

 今年は1月にわずか2勝しか挙げられなかった幸騎手だが、2月から4月にかけて6→7→8勝と白星を積み重ねると、5月3勝の小休止を挟み、6月に11勝と大爆発。81勝を挙げた2021年に匹敵するペースで勝ち鞍を量産していた。

 しかし、下半期に入ってからは成績が急降下。7月は69戦3勝。さらに8月は戦線を離脱するまで19戦0勝となかなか勝利の美酒を味わえず。

 そんなさなかに発生したのが、馬場入場後の落馬による負傷だった。手術を受けた患部には、ボルトとワイヤーのようなピンが複数入っているという。

 ただ幸騎手は不調に陥ったというよりは、単に勝ち運に見放されていた印象が強い。

 実際に、7~8月は3勝しか挙げられていないが、2着は12回を数える。連対率は、上半期の13.4%から下半期は17.0%へと逆に上昇している。僅差の2着も多く、ケガから復帰すれば、再び白星量産態勢に入ってくれるはずだ。

 肝心の幸騎手の復帰時期だが、年齢的に並みの騎手なら相当の時間を要しもおかしくない。

 しかし、そこは2009年にJRA史上初の年間1000回騎乗を達成したアイアンマン。10月中のスピード復帰を目指しているという。予定通りの時期に復帰が叶えば、暮れのG1戦線でも熟練の技を披露してくれるだろう。

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