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2025年9月21日新馬戦を制したボクマダネムイヨ
2025年9月21日新馬戦を制したボクマダネムイヨ

9月21日の2歳戦レビュー

◆コルテオソレイユ

9月21日 未勝利 阪神芝1600m 1着
評価:★★★★
騎手:浜中俊
厩舎:栗東・佐藤悠太
父:ウインブライト
母:ファンシャン
母の父:トーセンラー

《短評》
道中は先団馬群の一角につけ、4角で少し促しながら直線へ。若干右にモタれる感じもあってなかなかエンジンがかからなかったが、2着馬に離されずついていき、最後にひと伸び見せてなんとか差し切った。

勝ち時計1:33.8は前回取り上げたカクウチ未勝利を0.1秒上回った。前日アランカール野路菊Sの圧倒的なパフォーマンスには及ばないが、こちらもこちらで悪くない。前走2-3着馬が8頭も出走しており、未勝利戦としてはメンバーレベルが高い組み合わせでもあった。

◆パントルナイーフ

9月21日 未勝利 中山芝1800m 1着
評価:★★★
騎手:ルメール
厩舎:美浦・木村哲也
父:キズナ
母:アールブリュット
母の父:Makfi

《短評》
五分のスタートを切ったが、周りが主張したぶん中団からの競馬に。道中は折り合いよく、手応えもよく回ってきて、4角出口で外に進路確保。直線はしっかり伸びてスパっと差し切った。

勝ち時計1:49.4は水準よりやや速く、ラストは11.9-11.3の加速ラップ。やはり馬場の高速度合いと、加速ラップが頻発する今開催の傾向を考慮する必要はあるが、数値としてはそこそこ立派。操縦性が高そうな点も好印象だ。

◆バークシャーシチー

9月21日 新馬 阪神芝1800m 1着
評価:★★★★
騎手:松若風馬
厩舎:栗東・牧田和弥
父:モズアスコット
母:マートンパーク
母の父:フレンチデピュティ

《短評》
出遅れ。すかさず鞍上が促すも、道中は後方3番手インからの競馬になった。それでも手応えには余裕があり、直線は大外に持ち出してスパート。ステッキに応えて末脚を繰り出し、ゴール前で差し切った。

勝ち時計1:47.2は阪神芝1800mの2歳新馬としては史上最速タイの記録。開幕週に行われたキッコベッロ新馬に比べると最後はやや失速しているが、全体時計はこちらが0.3秒速く、ほぼ同格レベルの内容と評価してよさそう。スタートのロスをくつがえした点も踏まえ、「OP級」の★4と評価する。

◆ボクマダネムイヨ

9月21日 新馬 阪神ダ1800m 1着
評価:★★★★
騎手:西村淳也
厩舎:栗東・東田明士
父:クリソベリル
母:イイコトバカリ
母の父:エンパイアメーカー

《短評》
スタートを決めて外の3番手を確保。3F目に14.9秒が刻まれるなど、道中は眠たくなるようなスローペースだった。この流れならさすがに手応えもラクで、直線に向くと鋭く伸びた。最終的に後続と7馬身差がつく完勝だった。

1000m通過67.3秒の超スローなので上がりが速くなったのは当然だが、とはいえダート1800m・良馬場の2歳戦でラスト2Fどちらも11秒台というのは過去わずか2例。バーデンヴァイラー(マーキュリーCなど重賞2勝)の未勝利戦、カナルビーグル(ユニコーンS)の未勝利戦しかない。名前で話題になっているだけと侮ってはいけない。

【了】

(文●鈴木ユウヤ)

<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。

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