②田中裕二(爆笑問題)
次に紹介するのは、毎週土曜日にテレビ東京などで放送している『ウイニング競馬』の新MCに、今年4月から就任したばかりの田中裕二(爆笑問題)である。
競馬番組のレギュラー出演は20年以上ぶりだが、東スポ紙面で長年予想を連載するなど、芸能界きっての競馬好き芸人として有名な田中。以前番組で印象に残っているレースを聞かれたときに、1998年の有馬記念と答えており、1998年から競馬番組にレギュラー出演していたことからも、競馬歴は少なくとも30年近くあることとなる。
そんな田中の高額払い戻しとして有名なのは、2007年の皐月賞。戦前の人気は、弥生賞勝ち馬・アドマイヤオーラと共同通信杯の勝ち馬・フサイチホウオーの2強対決のようなオッズとなっていた。そんな中、田中の本命は若葉ステークスの勝ち馬・ヴィクトリー。皐月賞トライアル勝ち馬ながら人気の盲点となっており、7番人気(単勝オッズ17.3倍)と評価はあまり高くなかった。
しかし結果は、ゴール前の3頭による接戦の末にヴィクトリーが勝利。ハナ差の2着に15番人気(単勝オッズ100.6倍)とさらに人気薄のサンツェッペリンが入り、さらにハナ差の3着が2番人気(単勝3.7倍)のフサイチホウオーとなった。
この荒れた一戦を、ヴィクトリーが本命で見事に的中させた田中。3連単90通り×200円+馬連5通り×5000円の計4万3000円投資に対して、払い戻しは「3連単162万3250円×200円」に加え、「馬連94630円×5000円」の計797万8000円という、特大的中であった。
そして、かっこいいのはその使い道だ。「ホールインワンのようなもの」と、事務所のタレントやスタッフ、相方の太田光ら20数人に10万円ずつお小遣いを渡し、番組スタッフへの差し入れや食事で大半を使ったとのこと。のちに税金で半分近く持っていかれると分かり、「すでに赤字になりました」と苦笑いをしていたのはご愛嬌。
ちなみにヴィクトリーを本命にした理由について田中は、「勝利」を意味する馬名のヴィクトリーと、鞍上の田中「勝」春騎手の「勝」が重なったことを挙げており、サイン馬券のような意味合いもあったそう。
ただ、本命がサインによるものだったとしても、相手に単勝15番人気のサンツェッペリンを入れているあたりが、生粋の穴党だろう。今後も『ウイニング競馬』の中で、この穴予想を見ることができるのは楽しみである。