HOME » コラム » 5選 » 【松本好雄オーナーの名馬5選】史上初の通算2000勝!半世紀にわたり競馬界を彩った「メイショウ軍団」 » ページ 4

2013年オークスを制した時のメイショウマンボ
2013年オークスを制した時のメイショウマンボ

④メイショウマンボ

 続いて紹介するのは、メイショウマンボ。父は天皇賞(春)を制したスズカマンボ、母は同じ松本オーナー所有で、12戦未勝利だったメイショウモモカという血統。

 2歳11月にデビューしたメイショウマンボは新馬勝ち。その後、中1週で阪神JFに挑戦して10着に敗れるも、続戦した紅梅Sで2着。自己条件のこぶし賞と桜花賞トライアルのフィリーズレビューを連勝して挑んだ桜花賞では、阪神JFと同じく10着に敗れた。

 ここまで、G1以外では4戦3勝の好成績も、G1では2戦してともに10着。違った見方をすれば、1400mでは3戦2勝でありながら、1600mでは3戦1勝。

 父スズカマンボは長距離馬であったが、メイショウマンボは短い距離に適性があるというのが、世間の見方であった。

 しかし、メイショウマンボの次走はNHKマイルカップではなくオークス。距離適性の面から人気を落とし、9番人気(単勝オッズ28.5倍)と伏兵評価であったが、中団から末脚を発揮して勝利。武幸四郎騎手とのコンビで、涙のG1初制覇を果たした。

 オークス馬として迎えた秋初戦のローズSこそ4着に敗れたが、デニムアンドルビー、スマートレイアーとの3強人気となった秋華賞では、直線で先に抜け出し、スマートレイアーの追撃を抑えて牝馬2冠を達成した。

 2着スマートレイアーの鞍上は武豊騎手で、G1での兄弟ワンツーを果たした。G1での兄弟ワンツーは、この年の桜花賞でデムーロ兄弟がJRA史上初の出来事として話題となったが、史上2例目が同年の牝馬3冠最終戦で達成された。

 さらには3歳馬代表として、古馬との初対戦となるエリザベス女王杯にも出走。4歳馬のヴィルシーナが1番人気に推される中、古馬勢を撃破してG1連勝を飾った。この勝利で同年のG1・3勝目を挙げ、最優秀3歳牝馬にも選ばれた。

 しかし古馬となってからは、ヴィクトリアマイルでヴィルシーナの2着となった以外の20戦全てで掲示板外。うち18戦で2ケタ着順という、3歳時がウソのような不振に陥ってしまい、7歳春に現役を引退。

 その後は繁殖牝馬となっていたが、今年の春の出産後に容体が悪化し、15歳で息を引き取った。

 残されたメイショウマンボの子どもは、現役馬が2頭で、デビュー前の馬が2頭。この4頭には、母の意志を受け継いで頑張ってもらいたい。

1 2 3 4 5