HOME » コラム » 5選 » 【松本好雄オーナーの名馬5選】史上初の通算2000勝!半世紀にわたり競馬界を彩った「メイショウ軍団」 » ページ 3

MeishoSamson
第66回皐月賞を制した時のメイショウサムソン

③メイショウサムソン

 続いて紹介するのは、メイショウサムソン。この馬は、松本オーナーに初のクラシック勝利と、ダービーオーナーの称号をプレゼントした馬であった。

 父オペラハウス、母は10戦未勝利のマイヴィヴィアン、母の父はダンシングブレーヴという、重厚なスタミナ血統であるメイショウサムソン。2歳の7月にデビューすると、2歳の間になんと7戦ものキャリアを積む。

 3歳となって皐月賞トライアルのスプリングSで重賞初制覇を果たすと、6番人気という伏兵評価であった皐月賞も連勝。10戦目での皐月賞制覇というまさに叩き上げの王者は、馬主生活30年以上で初のクラシック制覇を果たした松本オーナーと通ずる部分もあった。

 さらには、続くダービーも勝利して春2冠を達成。松本オーナーも、ついにダービーオーナーとなり、メイショウサムソンはクラシック3冠に王手をかけた。

 しかし、3冠を目指した菊花賞では4着に敗れ、続くジャパンカップと有馬記念でもディープインパクトの6着と5着に敗戦。

 年明け初戦の大阪杯を勝利して迎えた天皇賞(春)では、菊花賞の敗戦から長距離適性を疑問視する声もあったが、中団追走から早めに進出して4角先頭という強気な競馬で勝利した。血統通りにスタミナも兼ね備えていることを、自らの走りで証明してみせた。

 続く宝塚記念でアドマイヤムーンの2着に敗れた後は、これまで全18戦で手綱を執ってきた石橋守騎手に替わって、武豊騎手を主戦へと迎える。

 ディープインパクトの引退でこの路線にお手馬のいなかった名手とのコンビで、天皇賞(秋)へと出走すると、好位から抜け出して2馬身半差をつける快勝。史上4頭目となる、天皇賞春秋制覇を達成した。

 翌年まで現役を続けたが、この天皇賞(秋)が最後の勝利。叩き上げの印象から、実績のわりに若干地味なイメージのあるメイショウサムソンだが、春のクラシック2冠+天皇賞春秋制覇という偉業から、メイショウ軍団史上最強の呼び声も高い。

1 2 3 4 5