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第138回天皇賞・秋(写真左ウオッカ、右奥ダイワスカーレット)
第138回天皇賞・秋(写真左ウオッカ、右奥ダイワスカーレット)

②ウオッカvsダイワスカーレット

対戦成績

月日 レース ウオッカ ダイワスカーレット
2006 3月4日 チューリップ賞(G3) 1着 2着
2006 4月8日 桜花賞(G1) 2着 1着
2006 10月15日 秋華賞(G1) 3着 1着
2006 12月24日 有馬記念(G1) 11着 2着
2007 10月28日 天皇賞(秋)(G1) 1着 2着

 デビュー3戦目で阪神JFを制して、2歳女王に輝いたウオッカ。翌年のクラシックシーズンは、2歳女王としてはあまりない2月始動でエルフィンSを勝利。そして桜花賞の前哨戦として選択したチューリップ賞で、ダイワスカーレットとの初対決が実現する。

 一方のダイワスカーレットは、牡馬相手に3戦2勝。シンザン記念でのちの重賞3勝馬アドマイヤオーラにこそ敗れたが、牡馬相手に戦ってきた戦績が評価され、ウオッカ1番人気(単勝1.4倍)、ダイワスカーレット2番人気(単勝2.8倍)と、2強対決のオッズとなっていた。

 そしてレースでも、完全に2頭の世界。逃げるダイワスカーレットに、楽な手ごたえで並びかけるウオッカ。突き抜けるかに思われたが、並んでからしぶといダイワスカーレットが最後まで抵抗して、クビ差の接戦。最後はウオッカが制したが、後続ははるか6馬身後方に置き去りとなっていた。

 続いて2度目の対戦は、もちろん桜花賞。ウオッカ断然のムードであったが、今回は逃げの手ではなく好位から抜け出したダイワスカーレットが、ウオッカの追撃を1馬身半差しのいで勝利。3着馬とは、またも3馬身半の差が開いていた。
その後、ウオッカはダービー参戦を表明し、牝馬64年ぶりのダービー制覇を達成。ダイワスカーレットはオークスに出走予定だったが、熱発により回避となった。

 第3戦は、牝馬三冠第3戦の秋華賞。ウオッカは宝塚記念からの直行、ダイワスカーレットはローズSを制して臨んだ一戦は、ダイワスカーレットが早め先頭から押し切り連勝。ウオッカは後方から追い込むも、3着に敗れた。

 続くエリザベス女王杯が4回目の対決となるはずであったが、ウオッカがハ行により出走取消。代わって4戦目となった有馬記念では、ウオッカが11着に惨敗し、マツリダゴッホの2着となったダイワスカーレットが3連勝となった。

 そして最後となる5回目の対決は、翌年の天皇賞(秋)。ひとつ下のダービー馬ディープスカイも含めた三つ巴のオッズとなった一戦は、上位人気3頭による争いの末に、逃げるダイワスカーレットをハナ差交わしたウオッカが勝利。最後に遅れたディープスカイは、さらにクビ差の3着となった。ウオッカとダイワスカーレットによる写真判定は13分にも及び、その差は2センチとも言われる大接戦であった。

 G1・7勝を挙げた、牝馬64年ぶりのダービー馬ウオッカと、G1・4勝を挙げて12戦12連対のまま引退したダイワスカーレット。名牝2頭による、素晴らしいライバル関係であった。

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