②ジャスタウェイ
続いて紹介するのは、ジャスタウェイ。新馬戦では5馬身突き離し、堂々のデビュー勝ちを果たした。続く、新潟2歳Sで1番人気(2着)に支持されていたように、早くから素質の片鱗を見せていた馬であった。
3歳を迎えてアーリントンCで重賞初制覇を果たしたが、クラシックに関しては、唯一出走したダービーでディープブリランテの11着。世代の中でもトップクラスとは言えない馬であった。
古馬になってからも、重賞2着で賞金加算を繰り返すものの、いまだ重賞1勝のまま。転機となったのは、4歳秋に出走した天皇賞(秋)。
同世代の3冠牝馬ジェンティルドンナが人気を集める中、中団から末脚一閃。女王を4馬身後方に置き去りとする走りを見せ、見事にG1初制覇を飾った。
さらに、「これは覚醒か?たまたまの激走か?」と、半信半疑の競馬ファンに「覚醒」を印象づけたのが、3馬身差の快勝で連勝を飾った中山記念。
そして、初の海外遠征となったドバイデューティーフリーでは、世界の度肝を抜く。1分45秒52という、従来の記録を2秒以上更新するレコードタイムで圧勝。2着馬を6馬身1/4、さらにその後ろは8馬身ほど突き離す、圧倒的なパフォーマンスであった。
このレースにより、130ポンドというレーティングを獲得。史上初めて、日本調教馬が世界ランキング1位に輝いた。
凱旋帰国となった雨中の安田記念では、グランプリボスとの叩き合いを制して4連勝。重賞で勝ち切れなかったのが嘘のように、約半年の間に「覚醒」を見せたジャスタウェイであった。