HOME » コラム » 5選 » “令和のスティールハート”はこの馬だ!産駒は2歳で才能開花…「早熟型」現役種牡馬トップ5 » ページ 5

第141回ケンタッキーダービーを制したAmericanPharoah (Photo by Rob Carr/Getty Images)
第141回ケンタッキーダービーを制したアメリカンファラオ (Photo by Rob Carr/Getty Images)

第1位 アメリカンファラオ

勝率差=9.0%(2歳時勝率=22.6%、3歳以降勝率=13.6%)

 現役種牡馬で最も2歳戦に強いのが、産駒の半数以上が外国生まれのアメリカンファラオだ。同馬の現役時代を振り返ると、デビュー戦こそ5着に敗れたが、そこから驚異の8連勝。37年ぶりにアメリカ三冠を達成した名馬である。

 デビューから約1年3か月の間に11戦し9勝とタフに走り続けた。3歳秋にはブリーダーズCクラシックを圧勝し、古馬として走ることなく、鳴り物入りで種牡馬入りを果たした。

 大きな期待を背負い、初年度から20万ドルという高額種付け料が設定されたアメリカンファラオだったが、現地では期待外れという判断を下されている。複数のG1馬を輩出してはいるが、2025年度の種付け料が4万5000ドルまで下降しているのが何よりの証拠だろう。

 ただし、日本では輸入された産駒らがダートを中心に大活躍。これまでJRAで86頭が走っているが、フェブラリーS連覇を達成したカフェファラオのほか、ダノンファラオがジャパンダートダービーを制している。

 主戦場がダートとあってアメリカファラオの産駒に早熟のイメージはない。確かに2歳時の勝率は突出しているが、3歳以降が全くダメというわけではない。むしろ3歳から5歳まで年齢別の勝率は全て13%台をキープしており、5歳までは安定したパフォーマンスを発揮しているといえるだろう。

 そんなアメリカンファラオ産駒の最大の特徴が“中途半端な距離”に強いこと。ダート戦が多い1200mや1400m、1800m戦での勝率は目立たないが、1000mや1150m、東京にしかない1600mのほか、1900m戦で高勝率を誇っている。

 何から何まで個性的なアメリカンファラオ産駒。日本での実績を買われて、近い将来に国内での導入もあるかもしれない。

【了】

(文●中川大河)

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