8月10日の2歳戦レビュー
◆アンドゥーリル
8月10日 未勝利 中京芝1600m 1着
評価:★★★★★★
騎手:荻野極
厩舎:栗東・中内田充正
父:サートゥルナーリア
母:アンドラステ
母の父:オルフェーヴル
《短評》
五分のスタートから先行集団に加わらず一列下げ、馬群の切れ目で6番手というポジションを追走した。直線は外に持ち出して楽々と突き抜け、2着に5馬身差をつけて圧勝した。
勝ち時計1:33.2はレッドベルオーブ(デイリー杯2歳S勝ち、朝日杯FS3着)が持つ2歳レコードと0.1秒差。そのレッドベルオーブ戦が前半3F34.0秒からラスト11.7-12.4のハイペース減速ラップで出たのに対し、こちらは前後半34.9-34.8のミドル、ラスト11.5-11.5と減速せずにまとめたもの。余力すら感じさせる内容だった。文句なしのGⅠ級。現時点でデビュー済みの馬のなかでは朝日杯FS最有力候補と言っていい。
◆アストロレガシー
8月10日 新馬 中京芝2000m 1着
評価:★★★★★
騎手:武豊
厩舎:栗東・武英智
父:リオンディーズ
母:ルナステラ
母の父:ディープインパクト
《短評》
やや右にヨレ気味のスタートだったが、すぐスピードはついて馬なりで3番手へ。4角は外へ張り気味、直線半ばで先頭に立ったあとも少しずつ外に行く感じだったが、最後まで1馬身のリードを保って押し切った。
1000m通過63.6秒のスローペースもあって全体時計2:02.7は特筆するほどでもないが、ラストの11.1-11.1は秀逸。当コースの2歳戦でラスト2Fが22.2秒以下だったのは過去3例しかなく、ワグネリアン(ダービー馬)の新馬とカムニャック(オークス)の新馬、クラウディアイ(京都2歳S3着馬)の新馬という内訳。数字的にはクラウディアイの2:02.6、ラスト11.1-11.1に似ている。GⅢくらいなら好勝負可能で、その先のステージも視野に入ってくる器だ。また、この速い上がりに4角11番手から追い込んできた2着マテンロウゲイルも能力は高い。次は勝つだろう。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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