HOME » コラム » 新馬・未勝利情報 » 【東大流・次世代スター発掘】アンドゥーリルに★6 「レコードと0.1秒差で余力すら感じさせる…文句なしのGⅠ級」

【東大流・次世代スター発掘】アンドゥーリルに★6 「レコードと0.1秒差で余力すら感じさせる…文句なしのGⅠ級」

text by 鈴木ユウヤ

2025年8月10日未勝利戦を制したアンドゥーリル
2025年8月10日未勝利戦を制したアンドゥーリル

8月9、10日の2歳戦レビュー

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は8月9、10日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。

【評価の目安】
★7:GⅠ確定レベル
★6:GⅠレベル
★5:重賞レベル
★4:OPレベル
★3:水準レベル
★2:やや物足りない
★1:物足りない

◆サトノボヤージュ

8月9日 未勝利 新潟ダ1200m 1着
評価:★★★★★★
騎手:戸崎圭太
厩舎:美浦・田中博康
父:Into Mischief
母:ジョリーオリンピカ
母の父:Drosselmeyer

《短評》
 芝の新馬戦2着からダートに替え、ブリンカー着用で臨んだ一戦。最内枠でスタートはよくなかったが、二の脚で挽回してハナを切れた。中盤以降はワンサイドゲームで、ほとんど持ったままリードをぐんぐん広げていき、最終的に2.0秒差の圧勝となった。

 この日のダートは週中の雨が残って多少湿っていたとはいえ良馬場。それで勝ち時計1:10.8の2歳レコードを叩き出した。同日10R・2勝クラスを4馬身差で勝ったドラゴンウェルズも現3歳世代の実力馬だが、こちらの勝ち時計と比べても0.4秒しか変わらない。追っていればもっと時計は詰まったはずで、2歳8月段階で既に古馬2勝クラスと同等以上の能力があるということになる。距離が延びてどうか、揉まれたときにどうかなどの未知な部分は残るが、「GⅠレベル」の★6と評価する。兵庫JG、全日本2歳優駿路線で活躍できる。

◆ロードフィレール

8月9日 未勝利 新潟芝2000m(内) 1着
評価:★★★★
騎手:戸崎圭太
厩舎:栗東・吉岡辰弥
父:キズナ
母:プレミアムギフト
母の父:インディアナギャル

《短評》
 五分のスタートから馬なりで3番手へ。序盤は少し行きたがる場面もあったがすぐに収まり、向正面でマクってきた馬に付き合わず一列下げる。4角から徐々に仕掛け、残り200mで先頭に立つと最終的に4馬身の差をつけた。

 内回りの新潟芝2000mは(現在は)世代限定戦でのみ使用されるコースで、2歳レコードが2:01.3。今回の勝ち時計2:01.6はそれに0.3秒差と迫る好タイムだった。OP以上での活躍に期待がかかる。

◆ヒシアムルーズ

8月9日 新馬 札幌芝1800m 1着
評価:★★★
騎手:R.キング
厩舎:美浦・堀宣行
父:サートゥルナーリア
母:ソーメニーウェイズ
母の父:Sightseeing

《短評》
 好スタートから内の馬に譲って2番手につけ、3角で逃げ馬を早々にかわして先頭へ。4角から直線にかけては馬体が外へ流れ気味だったが、左ムチでなんとか矯正しつつ押し切った。

 勝ち時計1:50.0はそこまで速くないし、ラストも11.8-12.3-12.6と減速しているが、稍重で前週までよりだいぶ時計がかかっていたことを思えば極度に遅いタイムでもない。水準レベルの力はありそうだ。

◆タイセイフレッサ

8月10日 未勝利 新潟芝1400m 1着
評価:★★★
騎手:斎藤新
厩舎:美浦・斎藤誠
父:キズナ
母:キャシーズソング
母の父:Candy Ride

《短評》
 道中は内の5~6番手でレースを進め、4角もそのまま最内を通し、直線だけ外へ切り替えた。進路が空いてからの反応は鋭く、粘る先行馬をきっちり差し切った。

 稍重馬場で勝ち時計は1:22.1。ペース差もあるとはいえ、高速馬場だった前日ダリア賞の1:21.5と比較してもまずまずのタイムだった。ラスト11.9-11.5としっかり加速ラップを踏めていることも好印象。レースぶりもソツがなく、クラスが上がってもある程度通用するだろう。

1 2