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Lord Kanaloa
第47回スプリンターズSを制したときのロードカナロア

⑦2012年(勝ち馬ロードカナロア)

 香港の英雄サイレントウィットネスの勝利から7年。2012年の主役は、のちに香港スプリントを連覇する、世界のロードカナロアであった。

 しかし実はこのレース、ロードカナロアが国内で出走した17戦のうち唯一、単勝1番人気に支持されなかったレースである。

 戦前の主役は、1番人気のカレンチャンであった。前年覇者としてこのレースに出走していたカレンチャンは、この年の高松宮記念でロードカナロアを3着に下して勝利。直前のセントウルSではロードカナロアに先着を許していたが、セントウルSではともに56キロだった斤量が、今回は牝馬のカレンチャンが2キロ軽いということで、高い支持を受けていた。

 対するロードカナロアは、条件戦からの連勝が5でストップした後、G3やG2で取りこぼすレースが続き、デビュー以来初の2番人気に甘んじていた。

 レースは好位につけたカレンチャンをロードカナロアがマークする形。残り200mでカレンチャンが先頭に立つも、すぐさまその外からロードカナロアが並びかけ、追い比べに持ち込む。最後はねじ伏せるように前に出たロードカナロアが、コースレコードで制してG1初制覇。カレンチャンは惜しくも2着となり、スプリントG1の3連覇を逃した。

 ロードカナロアのその後の活躍は、みなさんご存知の通り。翌年の高松宮記念とスプリンターズSをともに勝利し、カレンチャンが成し遂げられなかったスプリントG1の3連覇を達成。さらには日本馬が今まで勝てなかった香港スプリントを勝利するだけでなく、連覇を飾った。さらにはスプリント戦だけでなく、1600mの安田記念に挑戦。見事勝利し、マイル王者にも輝いた。

 まさにこのスプリンターズSをきっかけに、向かうところ敵なしの強さを見せたロードカナロア。しかしその絶対王者が引退した後、スプリント界は再び混沌としていく…。

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