HOME » コラム » 5選 » 【スプリンターズS名勝負①】サクラバクシンオーやタイキシャトルなど名だたる“短距離王”が登場 » ページ 3

Taiki Shuttle
第31回 スプリンターズSを制したときのタイキシャトル

③1997年(勝ち馬タイキシャトル)

 歴史に残る大激戦となった1996年から1年が経った1997年。高らかに新時代の幕開けを告げたのが、タイキシャトルであった。

 4歳(現3歳)の4月という遅いデビューながら、既走馬相手に4馬身差の快勝。その後も芝・ダート問わない走りで勝利を重ね、7戦6勝2着1回という、ほぼパーフェクトな成績でG1マイルチャンピオンシップを勝利。デビューから7ヶ月足らずで古馬混合のG1を制覇するという、離れ業を見せた。

 そしてその直後に出走したのが、スプリンターズSであった。初の1200m戦の出走である上、同じ年にマイルチャンピオンシップとスプリンターズSをともに勝った馬は過去にいなかったが、単勝1.9倍の1番人気に推されていた。2番人気は同じ4歳馬で桜花賞馬のキョウエイマーチ。3番人気は昨年の覇者フラワーパークであった。

 大外枠から好スタートを決めると、初の1200m戦でも難なく好位を確保。残り200mで持ったまま先頭に並びかけると、最後は追い込んできたスギノハヤカゼの追撃を、余裕を持って抑えこんでの快勝。

 G1連勝を飾ったタイキシャトルは、翌年の安田記念で3つ目のG1タイトルを獲得したのち、フランスに渡った。ジャック・ル・マロワ賞を勝利して、直前のモーリス・ド・ゲスト賞を制したシーキングザパールに続いて、史上2頭目となる日本馬による海外G1制覇を果たし、世界にタイキシャトルの名を轟かせた。

 2年足らずという短い現役生活の中でも、歴史に残る偉業を次々と達成したタイキシャトル。その中でも類まれなスピードを見せつけたスプリンターズSは、ファンの記憶に強く刻み込まれている。

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