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2023年日本ダービーに出走したドゥラエレーデ
2023年日本ダービーに出走したドゥラエレーデ

⑤2023年・日本ダービー(ドゥラエレーデ)

~テレビ局密着取材の坂井瑠星騎手が……~

 最後は唯一の現役馬ドゥラエレーデだ。2歳暮れに14番人気でホープフルSを制した同馬は、年が明けて海外ダートG2のUAEダービーに出走。そこで2着に入ると、今度は日本ダービーへと駒を進める異例のローテーションを選択した。

 芝とダートで1勝ずつしていた“二刀流”の最大の武器は、先行力と最後まで諦めない勝負根性。そして誰が鞍上を務めても折り合える操縦性だった。

 デビュー7戦目のダービーで7人目のパートナーとして跨ったのは、当時25歳の坂井瑠星騎手。前年の秋華賞を皮切りに、朝日杯FS、フェブラリーSと約4か月の短期間にG1を3勝し、最も乗れる若手騎手として注目される存在となっていた。

 坂井騎手にとって2度目のダービー騎乗。当日はNHK-BS1の『スポーツ×ヒューマン』という密着ドキュメンタリー番組のカメラが坂井騎手の一挙手一投足を追っていた。いや、着順はどうあれ、スタートからゴールまでその騎乗を追いかけるはずだった。

 ところが、発馬直後、ドゥラエレーデが躓くと、坂井騎手はなすすべなく落馬。2歳チャンピオンとともに臨んだ夢のダービーは約1秒で幕を閉じた。

 幸い人馬ともに無事で、坂井騎手は即座に立ち上がり、レースを見守る羽目に……。カラ馬となったドゥラエレーデは、そのままゴールまで馬群の後方を走り続けた。

 その後、坂井騎手はダービー落馬の悔しさを糧にさらなる成長を遂げる。初めて騎手リーディングトップ10入りを果たした2022年の8位から23年は7位へ、そして24年は4位へとステップアップ。今年は戸崎圭太騎手らとの熾烈なリーディング争いを演じている。

 一方のドゥラエレーデは、ダービー後に宝塚記念に挑戦するも10着に敗戦。その後は主戦場をダートに移し、G1でもたびたび上位争いをしている。

【了】

(文●中川大河

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