③2020年・ホープフルS(ランドオブリバティ)
~4角逸走→落馬で三浦皇成の夢散る~
ルーキーイヤーの2008年に91勝を挙げた三浦皇成騎手。武豊騎手の持つ新人最多勝記録を21年ぶりに更新し、“スーパールーキー”の名をほしいままにした。
しかし、その後はケガなどもあり、成績は徐々に悪化。2017年には自己ワーストの24勝に終わった。そんな三浦騎手が復活の兆しを見せたのが2020年。最終的に自己最多となる102勝をマークした年だ。
三浦騎手にとってその年の最後の騎乗となったのが、2歳王者を決めるホープフルS。2番人気に支持されたランドオブリバティとのコンビで、人馬ともにG1初制覇の好機を迎えていた。
そのレースで1番人気に推されたのはダノンザキッド。ランドオブリバティと同じく2戦2勝ながら、単勝オッズ2.1倍とやや抜けた人気を背負っていた。
対するランドオブリバティは2戦目の芙蓉Sで同コースを経験済み。しかも2着に3馬身半差をつける快勝で、コース適性を証明していた。何より多くのファンが三浦騎手のJRA・G1初制覇を願っていたはずだ。
そんな中、三浦騎手は意外すぎる幕切れを迎える。1コーナーまでにタイトルホルダーとのハナ争いを制し、1000m通過1分1秒9の理想的なペースに落とし込んだ三浦騎手とランドオブリバティ。あとは直線でどれだけ粘り込めるかという展開だったが……。
やや外に膨れ気味に4コーナーへ差し掛かると、なんと直線を向くことなく、外ラチ沿いに逸走。スピードを落としながら、そのままラチ近くで三浦騎手を振り落としてしまったのだ。
三浦騎手は悲願を逃しただけでなく、左胸部打撲と診断され、予定していた翌日の騎乗もすべて乗り替わり。その後もJRAでのG1連敗は伸び続けているが、ファンは今なお、三浦騎手の“その時”が訪れるのを待ち望んでいる。