【衝撃のGⅠ落馬5選】武豊“110億円”紙クズ化、三浦皇成4コーナー逸走…あまりに儚い結末
“人馬一体”という言葉があるように、競馬において騎手と馬の相性は非常に重要な要素の一つだ。しかし、どれだけ人馬の息がぴったり合っていても避けて通れないものがある。
それがスタートからゴールするまでの間に、騎手が馬の背中から落ちてしまう、いわゆる「落馬」。時速60キロ以上で疾走するサラブレッドからの落馬は大きな危険を伴うことは、競馬ファンなら言わずもがなだろう。
それでも落馬は時に起こってしまう。今回は過去のG1において、ファンに強いインパクトを残した落馬を5つ選定。ただし、落馬を伴わない競走中止や、結果的に予後不良に至った落馬などは除いた。
①2002年・菊花賞(ノーリーズン)
~一瞬で110億円が紙クズに~
2002年の牡馬クラシック路線でその名を轟かせたのはタニノギムレットだった。皐月賞とNHKマイルCはともに3着に敗れたが、続く日本ダービーを優勝。鞍上の武豊騎手にとって3度目のダービー制覇だった。
そのタニノギムレットとともにクラシックを賑わせたのが、皐月賞馬のノーリーズンである。同馬はB.ドイル騎手を背に、15番人気でクラシック三冠の第一関門を勝利。蛯名正義騎手に乗り替わったダービーは、2番人気で8着と期待を裏切ったが、秋初戦の神戸新聞杯でシンボリクリスエスの2着に入り、再び評価を高めていた。
続く菊花賞で、ノーリーズンが1番人気に推されたのは、シンボリクリスエス(天皇賞・秋に出走)やタニノギムレット(屈腱炎で引退)の不在もあったが、前走で久々のタッグを組んだ武豊騎手の存在も大きかった。
小雨が降る中で迎えたスタート。大きく出遅れた馬はいなかったものの、ゲートを出るなり左側に飛び降りるように落下したのが、他でもない武騎手だった。その瞬間、スタンドにはファンの悲鳴が響き渡り、ノーリーズン絡みの約110億円が紙クズと化したのである。
武騎手は落馬直後も必死に馬にしがみつこうとしたが、その甲斐むなしく、ただ茫然と立ち尽くすしかなかった。
波乱含みの菊花賞は、まさに大波乱の幕開けとなり、その結末もまた“超”のつく波乱だった。クラシック3冠目を制したのは10番人気のヒシミラクル。ハナ差の2着に16番人気ファストタテヤマが入り、馬連は9万6070円の高配当を叩き出した。