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8月3日の2歳戦レビュー

2025年8月3日 2歳新馬を制したプロメサアルムンド
2025年8月3日 2歳新馬を制したプロメサアルムンド

◆チャチャコマニ

8月3日 新馬 新潟ダ1800m 1着
評価:★★★★★
騎手:戸崎圭太
厩舎:栗東・佐藤悠太
父:ホッコータルマエ
母:ビップチャチャチャ
母の父:ディープブリランテ

《短評》
 ゲートの出がいまひとつで二の脚も速くはなかったが、促して外目の3~4番手まで挽回。4角で鞍上の手が動き始めるも、止まりそうで止まらずに脚を使い、外から迫るイナズマダイモンを抑えて勝利した。

 勝ち時計1:56.7はこの時期の新潟ダ1800m新馬としても速くはないが、ラスト12.7-12.6の加速ラップには素質が垣間見える。また、基本的にダート中距離は牡馬優勢であり、「2歳8月までに牝馬がダート1800mで新馬勝ち」というのは1986年以降で2例しかない(これが3例目)レアケース。レースぶりからして距離は延びてよく、来年の関東オークスが楽しみ。「牝馬限定なら」重賞級という意味合いで★5評価とした。

◆プロメサアルムンド

8月3日 新馬 新潟芝1600m 1着
評価:★★★★
騎手:C.ルメール
厩舎:美浦・国枝栄
父:モーリス
母:アーモンドアイ
母の父:ロードカナロア

《短評》
 半歩出負け気味のスタートから中団につけ、道中は馬群の内目を追走。直線はなめらかな進路変更で外へ持ち出し、残り400mから追い出すと反応よく先頭へ。内からバドリナートに食い下がられたが、そのままクビ差押し切った。3着以下は4馬身離した。

 勝ち時計1:34.9は一見すると上々の数字だが、直前の未勝利戦で1:34.6が出た高速馬場を加味する必要はある。ただラスト11.3-11.3-11.2の加速ラップは好印象で、クラスが上がっても戦えるだろう。また、このラスト11.2の区間で食らいついたバドリナートも能力は高い。未勝利はすぐにでも勝ち上がれる。

◆クレパスキュラー

8月3日 新馬 札幌芝1800m 1着
評価:★★★★★
騎手:R.キング
厩舎:美浦・栗田徹
父:リオンディーズ
母:エリスライト
母の父:ディープインパクト

《短評》
 序盤から前進気勢が強く、引っかかりながらの追走。途中まではガッチリ抑えられて3番手で我慢していたが、向正面に出るあたりで先頭に立った。そこからはなんとか折り合いがつき、直線はステッキに応えてもう一度加速。終わってみれば後続に5馬身差をつける圧勝だった。

 勝ち時計1:47.2は2歳コースレコード。昨年キングスコールの旧レコードを0.6秒も更新した。残り1200mから11.6-11.7と一度脚を使った上で、ラスト1Fを11.8でまとめた点も価値が高い。能力面には文句なしだが、課題はやはり折り合い。そこが改善されてくるようなら重賞~GⅠ戦線で活躍できる。

【了】

(文●鈴木ユウヤ

<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。

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