【東大流・次世代スター発掘】良血馬を一刀両断 ポペットに★5評価!札幌芝1500m2歳戦史上初の上がり33秒台
8月2日の2歳戦レビュー
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は8月2、3日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。
【評価の目安】
★7:GⅠ確定レベル
★6:GⅠレベル
★5:重賞レベル
★4:OPレベル
★3:水準レベル
★2:やや物足りない
★1:物足りない
◆タマモイカロス
8月2日 未勝利 中京芝1400m 1着
評価:★★★★
騎手:高杉吏麒
厩舎:栗東・藤岡健一
父:デクラレーションオブウォー
母:タマモブリリアン
母の父:ダンスインザダーク
《短評》
5頭立ての5番枠から労せず2番手へ。ペースが緩かったのもあり、直線は持ったままの手応えで逃げ馬をパスすると、残り300mから満を持してゴーサイン。あっという間に抜け出して3馬身半差の完勝だった。
同日の豊明Sで1:18.7のレコードが記録されたように馬場は非常に速く、全体時計1:22.3はさほど目立つ数字ではない。とはいえノーステッキのままラスト10.9-11.1の末脚は優秀。クラスが上がっても通用するだろう。
◆コニーアイランド
8月2日 新馬 中京芝1600m 1着
評価:★★★
騎手:川田将雅
厩舎:栗東・中内田充正
父:コントレイル
母:ヤンキーローズ
母の父:All American
《短評》
ゲートの出がいまひとつで、そのあとの加速にも手間取って序盤は最後方から。道中は鞍上が促してポジションを上げていき、外の3番手で直線へ。瞬時にスパっと反応する感じではなかったが、しぶとく伸びて追い比べを制した。
勝ち時計1:35.4は夏開催の中京マイル新馬としてはそこそこ速い部類だが、前記の通りこの日の中京芝はレコードが出る高速馬場であり、特段強調できる数字でもない。今回は出遅れて序盤モタついており、レースを学んでいけばそのぶん伸びしろはある。距離は延びても大丈夫そうだ。
◆ポペット
8月2日 新馬 札幌芝1500m 1着
評価:★★★★★
騎手:橋木太希
厩舎:栗東・高橋康之
父:サトノクラウン
母:プティシュシュ
母の父:エピファネイア
《短評》
ゲートはイマイチだったが、すぐさま促して中団馬群からの競馬。道中は手応え抜群で、4角で他馬が膨れたスキを突いて進路を確保。直線は1頭だけ次元の違う末脚で差し切り、2着に3馬身差をつけた。
時計が出やすい馬場だったのは前提としても、勝ち時計1:29.3は当コースの新馬戦史上3位タイの好記録。札幌芝1500mの2歳戦で上がり33秒台を出したのはこの馬が史上初となった。ラスト11.3-11.3と減速していない点も含め、強烈な勝ち方だ。馬体重416キロという馬格のなさは気になるが、重賞で勝ち負け可能、GⅠでも出番があるかもしれない。
◆アートバーゼル
8月2日 新馬 新潟芝1800m 1着
評価:★★★★
騎手:戸崎圭太
厩舎:美浦・宮田敬介
父:エピファネイア
母:キラービューティ
母の父:ゼンノロブロイ
《短評》
スタート直後わずかにバランスを崩したがすんなりと先行。向正面で外から上がってきた馬に譲って一列下げ、4番手で直線へ向いた。内回りとの合流点過ぎまで仕掛けを遅らせ、いざ追い出されると鋭く加速。2着馬に最後まで差を詰めさせず、1馬身半差で勝利した。
勝ち時計1:47.8は前週のゾロアストロと0.4秒差。仕掛けを待ったこともあり、ラストは11.0-11.0と減速していない。まだまだ余力を感じられた。ただしこの日も未勝利戦のマイルで1:32.7が出るなど馬場は非常に高速だった。そのあたりを考慮して★4に留める。2着パントルナイーフも次走は高確率で勝ち負けだろう。