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Jun Light Bolt
第26回シリウスSを制したときのジュンライトボルト

⑤2022年(勝ち馬ジュンライトボルト)

 G1を目指す登竜門となっているのは、なにも3歳馬にとってだけではない。

 京都競馬場の改修工事による開催日程の変更によって、中京1900mで行われた3年目、2022年の主役は、5歳馬のジュンライトボルトであった。

 ジュンライトボルトは2歳の7月にデビュー。2戦目で初勝利を挙げ、朝日杯FSに駒を進めるなど芝で早くから活躍していたが、4歳シーズンまでにOPクラスでの勝ち鞍はなかった。

 転機となったのは、5歳シーズンの前半を休養に充てて8ヶ月ぶりの実戦となったジュライSだった。このレースで初のダート戦に出走し、鞍上も初タッグとなる石川騎手とのコンビであった。好位からレースを進めると、勝ち馬のニューモニュメントと連れるように伸びて2着。OPクラスで初の連対を果たす。

 そして続くBSN賞では、好位抜け出しの横綱相撲でOP初勝利。勢いに乗ってダート重賞初挑戦となったのが、シリウスSであった。

 上位人気は割れていたが、1番人気は前走の三宮Sで前出ニューモニュメントを6馬身ちぎったハヤブサナンデクン。2番人気は53キロで出走できる3歳馬ハピ。3番人気は前走マーキュリーCで重賞初制覇を果たしたバーデンヴァイラーで、ジュンライトボルトは4番人気であった。

 レースは、道中のインで脚を溜める競馬。4角では馬群の外に誘導されると一気に加速して残り300mで先頭に立つ。最後は馬群の間を割って伸びてきた、2着ハピの追い上げをしのいで勝利。

 ハヤブサナンデクンは好位から伸びきれずに7着。バーデンヴァイラーは良いところなく15着に敗れた。

 ジュンライトボルトは、ダート転向3戦目にして重賞初制覇。そしてこのジュンライトボルトと石川騎手のコンビは、この2ヶ月後にG1チャンピオンズCを勝利。人馬ともにG1初制覇を飾った。

 ダート初挑戦から4ヶ月強で、ダート界の頂点にまで上り詰めたジュンライトボルト。その覚醒にシリウスSも一役を買っていた。

(文●中西友馬)

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