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Omega Perfum
第22回シリウスSを制したときのオメガパフューム

④2018年(勝ち馬オメガパフューム)

 ワンダーアキュートの勝利から9年が経った2018年。この年の主役も3歳馬だった。

 後にG1 (Jpn1も含む)を5勝するオメガパフューム。この馬の重賞初制覇もまた、シリウスSであった。
 
 オメガパフュームは3歳の1月にデビュー。新馬戦から圧巻の内容であった。発馬で後手を踏むも、すぐに巻き返して好位を確保。外々を回って前に並びかけると、直線では楽々と抜け出してみせた。ラスト1Fは芝並みの11秒7という強烈な末脚であった。

 続く500万下も楽勝して迎えた青竜S。いつも通りスタートは速くなかったが中団からレースを進め、直線では先に抜け出した2頭を射程圏内に入れる。しかしそこから鞍上の意思に反して、内へ内へとササってしまう。結局そのロスが響き、前を行く2頭を捕えきれず3着に敗れた。

 続く加古川特別では、初の古馬との対戦に勝利。さらにジャパンダートダービーで、同じくデムーロ騎手が主戦を務めるルヴァンスレーヴの2着となって迎えたのが、シリウスSだった。

 オメガパフュームは単勝2番人気。1番人気はダートで6戦5勝のグレイトパール。3番人気は平安Sでそのグレイトパールの連勝を止めたサンライズソアであった。

 中団後方寄りからレースを進めると、3角辺りから早めに進出を始めて、4角では先行集団に取りつく。直線では前を行くサンライズソアを一気に交わすと、最後は道中最後方から内をさばいて伸びてきたウェスタールンドの猛追を、クビ差しのいで勝利。重賞初勝利を飾った。

 サンライズソアは3着、グレイトパールは直線伸びを欠いて11着に敗れた。

 オメガパフュームはその後、同年の東京大賞典でG1初制覇を果たすと、史上初となる同レース4連覇を達成した。青竜Sで見せたように左回りではササってしまう癖があり、中央のG1には縁がなかったが、右回りの大井では無類の強さを見せた名馬であった。

 ワンダーアキュートに関しても同じことが言えるが、シリウスSは3歳馬にとって、古馬との力関係を測る登竜門的な存在となっている。

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