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【東大流・次世代スター発掘】上がり32.9秒Vのゾロアストロに★5 「本来はGⅠ級と言える数字」

text by 鈴木ユウヤ

2025年7月27日未勝利戦を制したゾロアストロ
2025年7月27日未勝利戦を制したゾロアストロ

7月26、27日の2歳戦レビュー

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は7月26、27日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。

【評価の目安】
★7:GⅠ確定レベル
★6:GⅠレベル
★5:重賞レベル
★4:OPレベル
★3:水準レベル
★2:やや物足りない
★1:物足りない

◆ショウナンカリス

7月26日 未勝利 札幌芝1200m 1着
評価:★★★
騎手:北村友一
厩舎:美浦・加藤士津八
父:リアルスティール
母:ロシアンサモワール
母の父:American Pharoah

《短評》
 デビューからの2戦は先行して甘くなるレースが続いていたが、今回は意図的に抑えて道中5~6番手の内を追走。抜群の手応えで4角を回って外に出すと、ラスト200mで鋭い加速を見せて差し切った。

 勝ち時計1:08.9は同日3勝クラスで1:07.4が出た馬場を加味すれば特段速くもないが、上がり34.1秒はメンバー中最速で、同2位の馬より0.7秒も速かった。この競馬内容なら上のクラスでも通用するだろう。

◆エコロアルバ

7月26日 新馬 新潟芝1400m 1着
評価:★★★★
騎手:R.キング
厩舎:美浦・田村康仁
父:モズアスコット
母:スターアクトレス
母の父:フレンチデピュティ

《短評》
 道中は中団の内目で折り合いをつけながらの追走。内回り4角で大外に持ち出すと、先に抜け出しを図ったアパレイユをあっさり捕らえ、そこからも脚勢衰えず伸びて2馬身半差の快勝となった。

 夏の新潟開幕週らしく、土日通じて極めて速い時計が出ており、全体時計1:21.3は鵜呑みにできない面もある。それでもラスト11.3-11.1の加速ラップは秀逸。短距離戦線での活躍に期待だ。

◆テイエムキハク

7月26日 新馬 札幌ダ1700m 1着
評価:★★★★★
騎手:丹内祐次
厩舎:美浦・伊藤圭三
父:ルヴァンスレーヴ
母:タイニーダンサー
母の父:サウスヴィグラス

《短評》
 大外枠から積極的に促して先行。隊列的に初角で内から5列目を回る形になり、距離ロスが大きかった。それでも3~4角の手応えは他の先行勢と全く違っていて、直線はステッキに反応してしっかり伸び、1馬身半差でデビュー勝ちを収めた。

 勝ち時計1:46.4は昨年ナチュラルライズ新馬の1:45.7と0.7秒差。比べてしまうとラップ構成含めてさすがに見劣るが、それでも同舞台の良馬場新馬で歴代3位の好タイムであった。母タイニーダンサーは交流重賞3勝の女傑で、その母キハクから広がる牝系にはJDD勝ち馬ヒガシウィルウィンらがいる砂の良血。JBC2歳優駿やダート三冠路線に出てくるのが楽しみだ。

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