⑤ジュベルアリの2024
最後に紹介するのはジュベルアリの2024。母の全弟には皐月賞や大阪杯を制したアルアインに、日本ダービー馬シャフリヤールがいる。さらに、兄は2025年の中山金杯などを制したアルナシームと、活躍馬が近親に多数存在する筋金入りの良血馬である。
父にリオンディーズを持つジュベルアリの2024は、サンデーサイレンスの“奇跡の血量”を内包する。これは2025年の皐月賞を制したミュージアムマイルと同様で、期待も大きいだろう。だがミュージアムマイルがNorthern Dancerの5×5を所持しているのに対し、ジュベルアリの2024が内包しているのは奇跡の血量のみとなっている。
このクロスのみを持つ活躍馬にはインダストリアなどがおり、スピード能力に長けた印象のある馬が多い。また兄姉のアルナシームやポートデラメールも速い上がりを使う馬だけに、瞬発力は高そう。マイルから中距離での活躍が期待できそうだ。
近親に活躍馬が多いということは、それだけかけられる期待も大きくなる。だが、引退レースの有馬記念で10番人気の低評価を覆し、多くの人々に感動を与えたシャフリヤールが近親にいる同馬なら、そのプレッシャーを跳ね除けて活躍してくれそうな予感がある。
2年後、叔父が制し、兄の立てなかったダービーの舞台に歩を進める弟の姿を見られる日は、果たして訪れるだろうか。
【了】
(文●小早川涼風)
【関連記事】
・3億越えホース2頭に初の白毛馬も! 2025年デビュー予定、藤田晋氏の所有馬5選
・次代のフォーエバーヤング、シンエンペラー候補が続々! 2025年デビュー予定、藤田晋氏の所有馬5選Part2
・中央GⅠ制覇へのカウントダウン?良血馬が続々デビュー【藤田晋オーナー所有の2歳馬 5選 Part3】