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ラビットランの2024 ⓒJapan Racing Horse Association
ラビットランの2024 ⓒJapan Racing Horse Association

【第3位】ラビットランの2024(3億2000万円)

 上位3傑はすべてキタサンブラックの産駒で占められた。そのベスト3に輝いたのが、冠名「ヒシ」でおなじみの阿部雅英氏によって3億2000万円で落札された社台ファーム生産馬のラビットランの2024(牡)であった。

 父Tapitの米国産牝馬ラビットランはダート適性の高い北米血統表どおりに、現役時代はダート路線で存在感を発揮。牝馬交流重賞のJBCレディスクラシックで2着に入り、ブリーダーズGCを制した。ただし芝でも奮闘し、G2のローズSを勝って秋華賞でも4着に健闘するなど“二刀流”の活躍をみせた。

 今や大種牡馬として君臨しているキタサンブラックとの配合ではアウトブリード(父自身にはLyphardの5×5が内包)となり、芝・ダートを問わない力強い走りをみせてくれそうだ。

 6000万円からはじまったセリは、すぐさま1億円に到達。その後500万円刻みで値が上がっていったが、1億4000万からは1000万円刻みとなり、早々と2億円に達すると、あっという間に2億6000万円へ。少し間が入った後、価格は3億円に上昇し、3億2000万円のところで、ハンマープライスとなった。

 社台ファーム産の良血牡馬を落札したオーナーの阿部雅英氏は「ヒシ」の冠名でなじみ深い親子三代でのJRA馬主。父・雅一郎氏の代表所有馬は、外国産の女傑ヒシアマゾンや、天皇賞(春)などG1を3勝したヒシミラクルらが有名だが、雅英氏自身も21、23年の中山記念で勝利を収めるなど、ターフを沸かせたヒシイグアスのオーナーとして知られる。

 一族がこれまで果たせなかった悲願のダービー制覇へ向けて、最高の若駒を手にしたところだろう。

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