【第1位】モシーンの2024(4億2000万円)
2位とわずか1000万円の差で1位に輝いたのは、4億2000万円でネブラスカレーシングが落札したモシーンの2024(牡、父キタサンブラック、ノーザンファーム生産)となった。
45番目に上場されたキタサンブラックの代表産駒イクイノックスと同じ青鹿毛の期待馬は、8000万円からセリがスタート。すぐさま1億円の声がかかり、1000万円ずつ値が上がり続けると、あっという間に2億円に突入した。
さらに競りは熱を帯びていき、早々と3億、そして4億円に到達。4億2000万円に達したところで後続の声が上がらず、会場にハンマーの音が鳴り響いた。2022年に当セール1歳馬部門歴代3位の4億5000万円で取り引きされた半兄のダノンエアズロック(父モーリス)に次ぐ4位となる高値での落札となった。
豪州産のモシーンは、VRCオークスなどG1を4勝、通算でも8勝を挙げた名牝。半姉には関屋記念など重賞3勝のプリモシーン(父ディープインパクト)や、プリンシパルS(L)勝ちなど今後に期待がかかる前述のダノンエアズロックらが名を連ねる。
父キタサンブラックとの配合ではインブリードがなく、またこれまで誕生した大物級産駒の傾向から、父キタサンブラックの母の父には欧州系の重厚なNorthern Dancerの血を受け継いだ肌馬が走っている印象。
とくに今年の日本ダービー馬となったクロワデュノールの母父はDanzig系のCape Crossであることから、同じくDanzigの系譜を受け継ぐFastnet Rock産駒のモシーンとの配合はピカイチといえる。
この超高額馬を落札したネブラスカレーシングは聞き慣れない馬主名で、ベールに包まれたまま。一部では「ラウンドワン」の社長を務め、2023年の牝馬三冠すべてのレースで上位争いを演じたハーパーらを有するエムズレーシングの杉野公彦氏の名義ではないかとも憶測されている。
早くて1年後には、この謎の購入者が手に入れたダイヤの原石が光を放つときが来ることだろう。
【了】
(文●TOM)
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