7月20日の2歳戦レビュー

◆アーレムアレス
7月20日 新馬 函館芝1800m 1着
評価:★★★★★★
騎手:菱田裕二
厩舎:栗東・橋口慎介
父:ハービンジャー
母:スターズインヘヴン
母の父:ワークフォース
《短評》
五分のスタートから促してインの3番手へ。序盤は少し行きたがる素振りも見せたが、向正面に向くあたりで収まった。4角で下がってきた逃げ馬をパスし、直線はハムタンの外からゴーサイン。反応鋭く差し切って1.3/4馬身の着差を付けた。
勝ち時計1:48.7は当コースの2歳戦史上4位の好時計。さらにラスト11.8-11.3の加速ラップを記録し、ゴール後の勢い含めて余力が十二分にあった。先週取り上げたマルガ(1:48.1、ラスト11.7-11.9-12.1)より全体時計は遅いが、後半ラップはこちらの方が上。個人的にはマルガと同等かそれ以上と評価したい。これまでデビューした中ではこの馬が現2歳牡馬のトップと見る。
◆ベレシート
7月20日 新馬 小倉芝1800m 1着
評価:★★★★★
騎手:北村友一
厩舎:栗東・斉藤崇史
父:エピファネイア
母:クロノジェネシス
母の父:バゴ
《短評》
ゲートを出る一歩目が非常に遅く、しかも三歩目あたりで躓いた。序盤は馬群から1頭ポツンと置かれた。そこから取りついて徐々にポジションを上げていき、3~4角は内を通して勝負圏内で直線へ向くと、右ムチが数発入って急加速。最後は外に大きくヨレながらも強烈な末脚で差し切った。
1000m通過が64.8秒と遅かったこともあり、全体時計1:52.5はいまひとつ。それでも2-4着に先行勢が丸々残る展開、ラスト12.0-11.5の加速ラップをさらに目立つ脚で差し切ったインパクトは素晴らしい。非凡なモノを秘めているのは感じる。まだ操縦性に課題があり、そのポテンシャルを実戦で発揮できるかが問題として残るが、今回はやや甘めに★5評価とした。
◆オブラプリーマ
7月20日 新馬 福島芝2000m 1着
評価:★★★
騎手:石橋脩
厩舎:美浦・上原佑紀
父:ヴァンゴッホ
母:マナローラ
母の父:ハーツクライ
《短評》
ゲートが開くと頭を上げてしまってまともに出られず、序盤は後方から。しかし道中の手応えはよく、3~4角で大外を回して堂々と進出。直線は右にモタれるのを修正しながらいい脚で伸び、3馬身半差でデビュー勝ちを収めた。
勝ち時計2:03.8は字面で見ると遅いが、この日の福島は古馬2勝クラスの芝2000mでも2:03.7を要するなど時計のかかる馬場ではあった。ゲートやモタれる面が改善してくれば上のクラスでもまずまず戦えそうだ。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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