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Danon Smash
第34回セントウルSを制したときのダノンスマッシュ

③ダノンスマッシュ

 ここまでは、中長距離で活躍した馬たちを2頭紹介してきた。

 しかしアーモンドアイと同じ初年度産駒に、父と同じスプリント路線で着実に力をつけていた馬がいた。それがダノンスマッシュである。

 2歳時からG1に出走するなど、世代上位の能力を見せていたが、1400mや1600mではもうひと押し足りない内容であった。

 しかし、3歳の夏に初めて1200m戦を使われて勝利すると、父から受け継いだスプリント能力が開花。まさに父のキャリアを辿るように、3歳秋の京阪杯で重賞初制覇。

 その後も次々と勝利を重ね、迎えた5歳暮れの香港スプリント。この時点で手に入れた重賞タイトルは既に6つ。トップスプリンターに上り詰めていたが、8度挑戦したG1のタイトルには手が届いていなかった。

 しかし、中団からレースを進めると、直線は馬群の外から力強く抜け出し、7着までが1馬身半差圏内という大激戦を制してみせた。

 自身9度目の挑戦にして待望のG1初制覇となっただけでなく、日本馬による香港スプリント制覇は、父ロードカナロア以来2頭目の快挙であった。

 香港スプリントに続いて、翌年の高松宮記念でも父仔制覇を果たしたダノンスマッシュは、6歳シーズン終わりに現役を引退。

 JRAスプリント重賞7勝は、父ロードカナロアに並んで歴代最多タイの記録となった。

 引退後は種牡馬入りを果たし、順調なら初年度産駒は2025年デビュー予定。父ロードカナロアと同じく、配合によって様々なタイプの産駒を輩出することを期待されている。

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