【第2位】ディープインパクト(2804頭)
現役時代、シンボリルドルフ以来24年ぶりの無敗三冠を達成し「英雄」と評されたディープインパクト。2007年にスタッドインした彼は、いきなり当時の日本で繋養される種牡馬としては最高額の1200万円の種付け料が設定される。
種付け頭数は215頭と前年のキングカメハメハよりは少なかったものの、新種牡馬では2位のリンカーンに27頭の差をつけてぶっちぎりの1位。競走馬時代と同じように、初年度から「衝撃」の種牡馬デビューだった。
その215頭の中からいきなり桜花賞馬マルセリーナが誕生し、リアルインパクトが1984年のグレード制導入以降では初となる3歳馬による安田記念の勝利を達成。そして年末の阪神JFでは、2世代目の産駒となるジョワドヴィーヴルがこれまで前例のなかったデビュー2戦目でのG1制覇を達成した。
加えて、10月の時点で産駒がJRA100勝を達成しており、2年目の種牡馬としてはこれも史上初の記録。これまで考えられなかった常識を全て塗り替えていく彼の産駒たちには、やはり「英雄」の遺伝子が入っていると思わされざるを得なくなった。
そしてディープインパクトの無敗三冠達成から15年後の2020年、息子のコントレイルが父と同じ無敗三冠を達成。すでに2012年に娘のジェンティルドンナが牝馬三冠を達成しており、日本では父のサンデーサイレンス以来2頭目となる、牡牝三冠馬の父親となった。
さらに海外では、彼の息子であるオーギュストロダンがイギリスダービーを勝利。日本馬の息子によるイギリスダービー制覇は、1780年から続く同レースの歴史でももちろん初のことである。現役時代に限らず、種牡馬入りしてからも数多の記録を打ち立てたディープインパクト。日本が誇る彼の血は国内にとどまらず、これからも世界中で生き続けるだろう。